「VERTERE」トラジ・モグハダムが設計した、新開発 GrooveRunner S を搭載するレコードプレーヤーが登場！

2024-02-29

タクトシュトックは、イギリス・VERTERE（ヴァルテレ）社が作るレコードプレーヤーの新モデルとして「DG-1S PKG」の取り扱いを開始した。価格は99万円（税込）。また、本機の販売開始を記念してSABRE MMカートリッジ（27万5000円／税込）、TECHNO MAT（3万8500円／税込）をセットにした「VERTERE DG-1S PKG SABRE」を20セット限定で104万5000円（税込）で発売する。

本製品は、同社のレコードプレーヤー「MG-1 PKG」（2021年5月）や「SG-1PKG」（2022年4月）のハイエンドモデルの設計思想を踏襲しながら、新しく開発したトーンアーム「Groove Runner S（グルーブランナーS）」を搭載したベルトドライブ駆動式のレコードプレーヤー。クオリティの高いサウンドを再生することにこだわって設計されており、まったく新しい技術を取り入れるなど機能やデザインを最適化しているの最大の特徴。

機能がデザインを最適化したレコードプレーヤー

新開発したフラット形状のトーンアームを採用

トーンアームには、独自に開発をした「Groove Runner S」を搭載。従来のアームでは共鳴を発生させるためダンピングが必要となってしまうことからその共鳴を回避るすため、2重5層無共振ポリマーを採用。トップ・ビームとロワー・ビームの接着とリベット留めによって最適な剛性とリニアな抵抗ダンピングを得ることにも成功している。また、フラット化したトーンアームは配線をフレキシブルPCBに変更しアーム内に挟み込むことで、カートリッジから取り入れた信号をシールドしながら出力端子への伝送を可能にしている。「Groove Runner S」のベアリング部には、新たに設計したツイストナイロン（数百本の太さ3ミクロンのツイストナイロン）と高強度ケブラー糸を用いたSilent Thread Bearings（サイレント・スレッドベアリング）を搭載。水平方向の動きにはツイストナイロンを使用し、垂直方向の動きには2本のケブラー糸を使用することで、従来のベアリングに変わるシンプルな構造を実現。超軽量だから、従来のベアリングのようなスティクション（動きに対する初期抵抗）がなく、ノイズの発生もしなくなっている。加えて、ナイロン糸のねじれで、他の可動部や摺動部なしに軸上でスマートに調整可能なアンチスケート力も備わっている。さらに、上位モデルに搭載するトーンアームと同様、アジマス調整ネジ付きステンレス製カウンター・ウェイトと共にサブウェイトを搭載することで、針圧の微調整だけでなく共振周波数とアーム自体の有効質量も搭載カートリッジに合わせて調整することも可能になっている。

SG-1PKGのために開発されたフラット化したトーンアーム「Groove Runner S」

高精度なスピンドルでより性能を高め、上位モデル用と同様のモーターを搭載

ターンテーブルのスピンドルにも、上位モデルと同様に生産精度の高い精密硬化ステンレススチール製が採用しており、軸受けは超精密加工を施した真鍮製を使用している。ハウジング内には、タングステンカーバイド製ボールを設置することで、低ノイズや低ランブル、高回転安定性を確保してダイナミックレンジと解像度を向上させている。また、内部は独自の長期潤滑仕様で、摩耗や損傷を防ぐために不可欠であったベアリング潤滑油の定期的な再充填を不要としており、メンテナンスの簡素化と性能の最適化を実現している。
モーター部には、上位モデルと同様のモーターを使用。モーターボディが動く独自構造を踏襲することで、ベルト張力の変化等を吸収するほか、銅箔／ステンレススチール製カバーを装備することで内外干渉を遮断している。

プラッターとプリンスの構成は、共振を排除するために独立している

メインプラッターは、精密機械で加工されたアルミ合金製のモノを使用し、その上部にはPETG（熱可塑性ポリマー）製のレコード・インターフェースが接着されている。また底面には、コルク、ネオプレン、ニトリル製ディスクを備えることで、共振をコントロールしつつ、プラッターが不用意に台座に触れることで生じる偶発的な損傷からアクリル製の筐体を保護してくれる。プラッターの駆動は、精密加工アルミニウム合金プーリーと、滑らかさと耐久性を実現した特注のシリコンラバー・ドライブベルトを介して行われ、速度変更等は、メインプリンス左奥にあるスイッチひとつで行うことができる。
メインプリンスとサブプリンスには、トーンアームと同様に、非共振鋳造アクリルを使用した3層サンドイッチ構造を採用。振動を極力抑えるため6つの特注シリコン・ラバー・サスペンションを組み込むでおり、モーターとその他の部分を効果的に分離させる構造にしている。メインプリンス・アッセンブリーは、スチール製シャーシと一体化しており、モーター・ドライブ回路とモーターを 3調整可能な3本の脚で支えられている。ダストカバーは、ポリカーボネート製で、ヒンジから取り外すことができる、使い勝手のいい仕様になっている。