〈レビュー〉ワイヤレスでロスレス再生対応!このイヤホン、厚みのあるリッチなサウンドと優れたノイズキャンセリングで、なかなかイイかも!

今回試してみた製品は、「SOUNDPEATS(サウンドピーツ)」が2023年10月に発売した「Air4 pro」。低域とクリアな中音域が特徴で、よりサウンド再生能力を高めたイヤホンになる。ノイズキャンセリング機能はもちろん、ロスレス再生にも対応しながら、優れた通話品質も備えている。「Air4 pro」は、どんなイヤホンなのかを試す機会をいただいたのでレビューしていきたいと思う。

目次

SOUNDPEATSについて

SOUNDPEATS(サウンドピーツ)は、2010年に中国・深圳で設立されたイヤホン専門ブランド。「Sound for Urban Sports」をコンセプトに掲げ「より豊かな体験と新たなトレンドを創り出す」を追求し、ハイクオリティで機能性の高いBluetoothイヤホンをリリースし続けている。そのコストパフォーマンスの高さやクオリティは、VGPアワードを受賞するなど高く評価されている。

今回試した製品について

「Air4 Pro」は、独自で開発したバイオセルロース複合版を搭載した13ミリの大口径ダイナミックドライバーによって厚みのある低音域とクリアな中音域、そして、ナチュラルなサウンドを実現させたモデル。対応するコーデックは、aptX Voice、aptX Classic、aptX Lossless、SBC、AACで、「Qualcomm Snapdragon Sound」対応機器では「音質」「接続の安定性」「遅延」や「通話品質」などの、性能が向上しているのが特徴。さらに、再生状態に応じてビットレートを自動調整するコーデック「aptX Adaptive」にも対応しており最適なオーディオコーデックで再生することができる。なお最大96kHz/24bitのハイレゾ品質の伝送も可能となっている。また、ロスレスコーデック「aptX Lossless」もサポートしているので、CDサウンド品質(44.1kHz/16bit)のロスレス再生も行える。通信方式はBluetooth5.3に準拠し、イヤホン本体は防水性能IPX4で生活防水仕様を備えているので、日常生活や汗や雨、濡れた手で触れても大丈夫だ。なお、再生時間は、イヤホン単体で最大6.5時間、充電ケースとの併用で最大26時間の再生にも対応する。ノイズキャンセリング機能は、Adaptive ANC(アダプティブアクティブノイズキャンセリング)機能を搭載することで、ユーザーのイヤホン装着状態にあわせ、リアルタイムでイヤホンの快適性や音質を向上させながら、周囲の環境音にあわせ可聴域において最大45dBのノイズをキャンセリングしてくれる。また、外音取込み機能も搭載しているので、周囲音をモニターすることも可能だ。通話時もノイズリダクション機能を搭載した6つ(左右のイヤホンに各3つ)のマイクと組み合わせることで、周囲のノイズを効果的に除去しながら自分の声を正確に伝えることができる。

実際に使ってみた!

「Air4 Pro」は専用のボックスに本体、取扱説明書、アプリガイド、イヤーピースが2サイズ、USBTypeC充電ケーブルが収められている。

アプリをインストールしてからペアリング

「Air4 Pro」を使用する前に、App StoreやPlay Storeから専用のアプリ「SOUNDPEATS」をダウンロードして、インストールしておく。本機はこのアプリを使用することで、プリセットイコライジングの調整やANCなどをコントロールすることができる。なお、アプリのダウンロードは無料で、使用には簡単なユーザー登録が必要になる。登録に必要な情報はメールアドレスとパスワードのみ。ペアリング作業は、イヤホン本体をケースから取り出せばペアリング待機モードに入るので、後はスマートフォンと使用機器とペアリングを行えば使用できる。ペアリングは特に問題なく、あっさり完了した。装着も特に違和感もなく耳にフィットし、圧迫感もあまり感じない。

使用前に、アプリをダウンロードしておきたい
イヤホンは耳穴にしっかりフィットしていた

全体の音質はバランスはいい、でも少し低音が強め

「Air4 Pro」は、低音から高音までバランスよくしっかり再生されているけれど、少し低音が強いな!という印象。続けて聴いているうちに気がついたのは、低音域だけではなく音域全体がブーストされている感じだ。よく低音が楽しめると謳われたイヤホンが存在するなか、本機の低音表現は、それらに比べても劣らない。あるいは、超えているのでは?という印象さえある。低音域だけでなく、中音域にも厚みがあるように聴こえ、いつもの曲が分厚くなったような印象さえ受ける。特に印象深いのは、低音にグラデーションがあるということだ。例えば、ベース音がひとつひとつ響くだけでなく、余韻や音と音のつながりが表現されていて、それがキレイにつながっているといった感じだ。中音域も同様で、音の立ち上がりから消えていくまでの“音のグラデーション”が、サウンド全体に厚みを増やしている。このイヤホンは、しっかり音楽を楽しむことができるイヤホンだと実感することができた。イヤホンを使用する際には、アプリを使用して好みの音質にあわせてイコライジング調整を行っていろいろな音質を試してほしいと思う。

使える!ノイズキャンセリング

ノイズキャンセリングもかなり強力で、Adaptive ANC機能が、周囲の環境音にあわせてノイズを除去してくれるため、周囲音がスーッと消されている様子がよくわかる。ノイズキャンセリングが行われている間にも音質が補正されることもなかったので、設定したイコライジングも変わることがなかった。一方で、イヤホンによっては、ノイズキャンセリング時に音質を適度に補正するものもあるがそれはそれで、リコメンドされた補正なので不快なものではない。しかし、せっかく聴きたい音質で聴いているのだから、そのまま楽しめることができるならば、それに越したことはない。本機はその点においても配慮されており、ユーザーフレンドリーなモデルだなと思えた。
操作はタッチ操作で行うことが可能で、イヤホン本体で音量がコントロールできるところはうれしいポイントだ。音量も曲送りもタッチ操作もコツをつかめば問題なし。ただひとつ残念なのは、曲戻しがタッチ操作ではできないことで、ぜひ改善してほしい部分だ。

マルチポイント接続にも対応

Bluetoothでの接続も、人の行き交う交差点や混雑する電車内での使用時でも特に接続が途切れるこがなかったので違和感なく使用することができた。また、本機はマルチポイント接続にも対応しているので、アプリで設定をしておけば、2台の端末と同時接続することも可能。例えば、パソコンとスマートフォンの両方に接続していれば、仮にパソコン側で通話が始まったとしても、スマートフォン側の再生を停止させれば、パソコンに再接続させる必要はないということになる。ただしマルチポイントの設定についてはアプリで機能を設定しておかないと切り替わらないので注意が必要。

操作もシンプル、わかりやすく使えるアプリ

アプリの使い勝手もよく、機能の切り替え、プリセット・イコライジングの選択や10バンドEQ調整機能の操作もわかりやすい。さらに、アダプティブイコライザー機能を使用すれば、ユーザーにあわせたイコライジング調整も行える。低遅延モードは、ゲームモードを選択すれば対応可能だ。ノイズキャンセリングの切り替えは、オン・オフ、ヒヤスルーが選択できて、再生されている音楽が途切れることもなくシームレスに切り替わる。

アプリもシンプルで使いやすい。プリセットに民謡!?が・・・

プリセットイコライジングに“民謡”が・・・

プリセットイコライジングに、“民謡”という見慣れない名称があるが、おそらく“フォークソング”の間違い⁉︎だと思われる。日本語へのローカライズ時のちょっとしたミスなので、今後のアップデートで修正されるだろう。

モノコト的まとめ

いつもの曲が表情を変える、欲しい機能がつまったイヤホン

1万円以下の価格で入手できる「Air4 Pro」はかなり優秀。厚みのあるリッチサウンドが欲しい方や低音に物足りなさを感じている方にはオススメできるイヤホンだ。音楽再生だけでなくノイズキャンセリングもしっかりと効いており、通話にもしっかりと配慮されているあたりも好印象だ。驚いたのは、SOUNDPEATSってこういう音づくりだったの?という発見があったこと。この価格帯で、ノイズキャンセリング、外音取込み、マルチポイントや低遅延モード、さらにaptX Losslessなども備えているのはスゴい!実用機能が全部入りの自信作といっているだけのことはある。あとは、タッチ操作での曲戻しと、アプリで任意でタッチ機能の割り当てができるようになってくれれば、本機の魅力がさらに高まると感じた。それ以外は、ほぼ不満は無く100点満点中90点。この価格でこのサウンドと機能ならばおすすめできる。特に、いつも高価格帯のイヤホンを使用しているユーザーの方にも試していただきたい。きっと、いい意味で驚いていただけることだろう。

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