[アップル]「Logic Pro」の最新版をリリース!新機能"Frashback Capture"のほか"ChatGPT"によるテキスト生成機能にも対応

アップルは、同社製音楽制作ソフト「Logic Pro」をアップデートし、最新版の提供をApp Storeで開始している。価格はMac版(Logic Pro 11.2)が3万円、iPad版(Logic Pro 2.2)が700円/月または7000円/年(いずれも税込)。

新バージョンでは、録音する際にボーカルや楽器のステムを抽出する"Stem Splitter"機能がアップデートされ精度が向上している。その上で新たにギターとピアノに対応したほか、プリセットを使ってアカペラや、楽器のみ、あるいは楽器とボーカルといったステムミックスのセットを作成する機能のほか、楽器のみやドラムとベースだけといった必要な部分だけを書き出すことができる新しいサブミックス機能も盛り込んでいる。

また、録音を忘れてしまった場合でも、演奏を復元できる"Flashback Capture"機能が追加されたことにより、ユーザーはキーコマンドやカスタムコントロールバーのボタンを使って、MIDIやオーディオの演奏を復元することが可能となっているほか、サイクルモードを有効にすることで、ミュージシャンが即興で演奏した複数のテイクを自動的にテイクフォルダに整理してくれる。

新しいサウンドパックとして、ドラムアンドベースパックの"Dancefloor Rush"や、ビンテージテクスチャパックの"Magnetic Imperfections"(Mac版)、プロデューサーパックの"Tosin Abasi"(Mac版)も追加されている。"Dancefloor Rush"は、エキスパートが手がけたドラムアンドベースサウンドの世界が特徴となる400を超えるダイナミックなループや力強いドラムキット、カスタムのLive Loopsグリッドを備えている。さらに、Mac版に追加される"Magnetic Imperfections"は、アナログテープの加工されていない荒削りな特徴を捉えた独自の質感を加えることを可能にしている。また"Tosin Abasi"は、ブティックアンプやユニークなエフェクト、ギタリスト・Tosin Abasiの独特のピッキングテクニックなど、特徴的なリフによるプログレッシブメタルのギターの魅力が詰め込まれている。

iPad版では"Learn MIDI"が追加され、MIDIデバイスのノブやフェーダー、ボタンに、プラグインや音源以外に、オートメーションが可能なパラメータを割り当てることでコントロールできるようになり、iPadでのワークフローが大幅に改善されている。また、Mac版ではノートパッド機能に新たに"Apple Intelligence"に対応させ、さらに"ChatGPT"とも連携することで作文ツールをサポート。歌詞などの文章をより表現豊かにしたい場合や書き直しの手助けが必要な時など自在に文章を作成できるようになっている。

"アップル"ユーザーだけが使用できるコスパの高いDAWで音楽制作を楽しもう!
「Logic Pro」は、アップルデバイスに標準でバンドルされる"Garage Band"のようなフレンドリーな操作感と、プロ仕様ともいえる豊富な機能を備えたアップルが長きにわたり開発を手掛ける音楽制作ソフトだ。同社デバイス専用のDAW(Digital Audio Workstation)ということもあり、多機能でありながら洗練された操作感は"さすが"といったところ。、付属する豊富な音源素材を利用して音楽制作を行うことができることから愛用するユーザーも多い。今回のリリースでは、音楽制作のワークフローをスムーズに進めるためのアップデートが随所に行われており、DAWとして完成度がより高められている印象を受けた。本ソフトでは、"Garage Band"で制作したプロジェクトもシームレスに引き継ぐことが可能になっているので、制作環境のステップアップにも適しているといえるだろう。また、App Storeで同一アカウントで購入したソフトウエアであれば、インストールした複数のデバイスで使用できるのもうれしいポイント。最新バージョンのフリートライアル版も用意されているので興味のある方は是非チェックをおすすめしたい。
●発売日:5月28日
●実売価格(税込):Mac版3万円、iPad版700円/月または7000円/年(App Store)
●アップル公式サイト:「Logic Pro」製品紹介ページ
※製品の価格及び仕様については、記事制作時のもので、その後諸事情により変更される場合があります