【レビュー】ニコンのミラーレス一眼「Z50Ⅱ」を使ってみた! レンズ交換式なのに、手軽に使える機動力の高さが魅力的

今回レビューするのは、ニコンから昨年の12月に発売されたモデル「Z50Ⅱ」だ。有効画素2088万を有するミラーレスモデルで、撮像素子は、APS-CサイズのCMOSセンサーを使用したモデルだ。最近、スマートフォンに搭載されるカメラの性能が、以前よりましてさらに性能が向上していることから、すっかりカメラが影を潜めてしまったが、やはり、光学式で取る写真はキレイだし、デジタルと違った魅力を感じる。レンズ交換式だから、なんかプロっぽいなど、変な理屈を並び立てて入るが、要は、楽しいのだ。スマートフォンでいいや、と思っていた自分に、改めて、カメラの楽しさを教えてくれたミラーレス一眼は、なにが魅力的なのか、その辺りにフォーカスしてみたいと思います。それでは、本編をどうぞ!

目次

ニコンについて

ニコンは、1917(大正6)年東京都小石川の辺りに、「日本光学工業」という名称で設立。当初製造・販売を行っていたのは、測距儀、顕微鏡、反射鏡などであったが、1921年には、超小型双眼鏡「ミクロン4×、6×」を発売する。1925年には、「JOICO(ジョイコ)顕微鏡」を発売、最大765倍まで拡大してみることができるなど、当時としては、画期的な顕微鏡だったという。

1946年には、国産のカメラとして、開発が決定した小型カメラの名称を「Nikon」に決定している。もともと、日本光学の略称として"ニッコー(Nikko)"としていたが、語尾に「N」を付けて、男性的で口調をよくした「Nikon(ニコン)」に正式に決まったそうだ。その後、1948年には、小型カメラ「ニコンI型」が登場。翌年の1949年には、「ニコンM型」、1951年には、「ニコンS型」を発売し、それ以降、S2型、SP型、そして、一眼レフカメラのF型へと進化を遂げていくことになる。この辺りから、堅牢性に優れ精巧に作られたカメラは「世界のニコンカメラ」として、国際的にも認知され始める。その後1988年に、社名を「株式会社ニコン」にする。

※ニコンの歴史を詳しく知りたい人は、以下よりご確認ください 。

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ニコン「Z50II」について

「Z50II」は、多彩な画作りを楽しめる機能と上位機種の優れた機能・性能を兼ね備えた、エントリーユーザーにも使いやすい仕様になっており、自分らしい画作りを簡単に実現できるモデルとなっている。従来モデルの「Z50」から進化ポイントとしては、ピクチャーコントロールボタンを新たに設置することで、複雑な設定や編集なしで簡単にイメージ通りの画作りができるようになっている。また、「イメージングレシピ」をダウンロードすることで、憧れのクリエイターの表現やフィルムライクな表現をより簡単に楽しめる。

画像処理エンジンには上位モデルに搭載している「EXPEED 7」を搭載したことで、AF性能や被写体検出が、「Z9」同等の性能を実現している。ピント合わせはカメラに任せて画作りに集中できるため、カメラ初心者でも安心して撮影に集中することができる。有効画素は、2088万画素と「Z50」と同じながら、その中身は、5年ぶりに登場したこともあり、満を持して登場してきたといった内容の仕様になっている。

赤丸のボタンがピクチャーコントロールボタン
画像処理エンジンには上位モデルに搭載している「EXPEED 7」を搭載

次の章からは、実際に触れてみた感想と、撮影した作例などについて、お伝えします。

ニコン「Z50II」に触れる

ニコンの歴史を知ると、社名をニコンにしたのが、昭和63年というのが意外だった(もっと早くからニコンという名称だとばかり思っていた)が、世界の「ニコンカメラ」の歴史は、半世紀以上になることから、改めて、ニコンカメラの奥深さを感じる。最近は、一眼レフカメラからミラーレスカメラに移行し、その中でも、マイクロフォーサーズやAPS-Cという、比較的コンパクトイメージセンサーのものが、手軽に持ち運べることから人気を集めている。今回、レビューした製品は、APS-Cのモデルで、まだ登場してから8カ月と新しいモデルの「Z50II」になる。

「Z50II」は、昨年の12月に発売された製品で、「Z50」の発売から実に5年ぶりにモデルチェンジした製品。有効画素こそ、2088万画素と同じ画素数ではあるが、この5年で進化したポイントは数知れず存在する。

パッと見は、大きな違いは感じないが、若干「Z50II」の方が、大きくなっている?といった感じだ。実際にスペックを見ると、一回りとまではいかないまでも、大きくなっているようだ。重さは、100gほど重くなっているものの、持ちやすいグリップによって重さを感じることはない。このグリップがあるおかげで、安定した撮影が無理なく行えるようになっていると感じる。そして、今回の「Z50II」より、背面モニターがバリアングル化したことは大きなポイントだと思われる。従来モデルの「Z50」では、背面モニターが下に開くチルト式で、自撮りには使えるが、それ以外の使い道がちょっと、という印象を持っていた。ゆえに、バリアングル化したことは、ユーザーからすると嬉しいポイントだといえるだろう。

バリアングルになった背面モニターは、とても使い勝手がよさそうだ

外観上で変更になったポイントは、ピクチャーコントロールボタンが新設されたこと。これは、「Z50」では、メニューから呼び出さなければならなかったものが、「Z50Ⅱ」では、天面のシャッターボタン近くに設けられているので、ワンタッチで自分の好みにあった色に合わせて撮影をすることができるようになっている。これは、かなり重宝しそうだ。

性能面や機能面については、まずは、エンジンが上位モデルに搭載されている画像処理エンジンの"EXPEED7"を搭載していることが挙げられる。"EXPEED6"を搭載していた「Z50」に比べて、明らかに動作が早くなっており、一つ一つの動作が機敏になった印象を受ける。レスポンスがいいから、ストレスなく、直感に従って撮影できると思われる。

実際に使ってみる

今回、レビュー用に使用したレンズは、単焦点レンズの「NIKKOR Z DX 24mm f/1.7」とズームレンズ「NIKKOR Z 70-180mm f/2.8」の2本。久しぶりに、カメラを抱えて、外の撮影にでかけた。

早速、レンズを装着して、いろいろな被写体にレンズを向けてみると、"EXPEED7"搭載の恩恵なのか、素早く被写体にピントが合うことに驚いた。"EXPEED6"から"EXPEED7"になったことにより、AF性能や被写体検出機能向上に繋がり、特に被写体検出機能は、人物、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車と、9つの被写体を検出してAFが追従してくれるというあたりは、かなり、精度が高いと感じられた。さらに、AFも瞬時被写体に合わせてくれることから、初めてミラーレス一眼カメラを使用する人でも、気持ちよく撮影が楽しめるはずだろう。シャッターボタンを半押しするだけで、びたっと被写体に合わせてくれるので、後は、しっかりとシャッターボタンを押し込むだけで、被写体の撮りたい瞬間を逃さず撮ることができる。実際に撮影した画像(作例)は、一方が単焦点、一方はズームレンズを使用して撮ったものだ。撮影は、全てオートモードで撮影しているので、カメラに任せっぱなしとなっている。それでも、ピントが瞬時に合うので、今を逃さず撮れるのが何とも心地良かった。

単焦点レンズの「NIKKOR Z DX 24mm f/1.7」で撮影
何も間耐えずにただ、シャッターボタンを押しただけだ
撮影したものを拡大してみても
花脈がキレイに撮れていることがわかる
ズームレンズ「NIKKOR Z 70-180mm f/2.8」にレンズを交換して撮影してみた。背景がいい感じにぼけてくれて、イメージ通りに写真が撮れた

想像以上に、キレイな写真が撮れるので、あれ?自分、センスある?みたいな錯覚すらしてしまうほどだ。ISO感度も、100~51200と幅広い感度をカバーしてくれながらもノイズを低減しているので、被写体の質感やディテールもシャープに描写してくれる。このあたりも"EXPEED7"の恩恵を受けているのだろう。

基本的には、ファインダーを覗き込むことなく、バリアングルモニターにタッチして撮影をしていた。そう、「Z50 Ⅱ」は、画面にタッチするだけで、ピントを合わせてくれて撮影することができるので、カメラに慣れていない人でも、感覚で撮影することができる。この感覚がどことなくスマートフォンで撮影しているかのような、そんな印象を受けた。スマートフォンで撮影し慣れている人であれば、抵抗なく使えるはずだし、直感的に撮影ができるのが好印象だった。

バリアングルを使えば、縦の写真もイメージしやすい
画作りは、さすがニコンといった印象

もちろん、高輝度電子ビューファインダー(EVF)も装備しているので、ファインダーを覗き込んで、自分の目で見た感覚で撮影することもできる。ちなみに、電子ビューファインダーの画面サイズは、0.39型で、明るさの調整は、オートとマニュアル合わせて13段階用意されている。

動画撮影において

動画撮影においては、実際に試せていないのだが、「Z50」の時には、撮影時間が29分59秒までしか撮影できないという、いわゆる「30分の壁」が取っ払われている。撮れる動画も、4K60Pの映像を撮ることができるうえ、最長撮影じかんが、約125分まで可能となっている。録音装置は、内蔵のステレオマイクのほか、外部マイクも使用できる。風切り音を低減する機能も搭載するなど、動画撮影用としても、十分使えるモデルとなっているようだ。

動画撮影用の手ブレ補正の機能が搭載されているため、手持ち歩きの撮影など、ながら撮影にも対応する。今回、新たに搭載されたのが「商品レビューモード」で、例えば、手に持ったものをカメラに向けて差し出すと、ピンが自動的に差し出したモノにきながら、手に持ったモノを引くと顔にピンが来るなど、映したいものを自動的にやってくれる。これは、インフルエンサーにとっては、とても便利な機能だと思われる。ピントを合わせるために、カメラの前に手をかざしている光景を何度か見かけたことはないだろうか。一人で撮影をしていると、なかなかピントが合わない、などという場面に遭遇することも間々あると思うが、「Z50Ⅱ」であれば、ピントがすぐに合うため、ストレスのない、商品レビューが行えそうだ。

動画撮影も、魅力的な機能が搭載されているので、機会があれば、またレビューしてみたいと思う。

まとめ

今回、5年振りにモデルチェンジしたZシリーズの「Z50Ⅱ」を使ってみたが、とにかく簡単にキレイな写真を撮ることができたのには、少々驚いている。日ごろ、一眼レフカメラで撮影をする筆者にとって、ミラーレスモデルは、まだまだ、使い慣れていない製品ではあるが、実際に使用してみると、コンパクトなボディは、想像以上に機動力が高かった。持ち運びはもちろんのこと、ミラーレスであるがゆえに、とにかくパシャパシャと手軽に撮ることができた。それも、何も考えることなく、オートモードに設定さえしておけば、簡単に撮影ができてしまう、それも、とてもキレイな撮影が行えた。

他メーカーの製品に使い慣れていると、ニコンのカメラは、操作が逆、例えば、レンズの取り換え方一つにしても、逆回しだったりする。それを差し引いても、この手軽さは魅力的だし、動画の撮影にも十分使えることを考えると、ボディ単体の価格が14万円台というのは、決して高くないと思われる。むしろ、これだけの機能を満載しているにも関わらず、14万5000円程度で購入できるのは、とても魅力的と言えるだろう。

今回は、最近のミラーレスカメラを知るうえで、ニコンの「Z50Ⅱ」を使用してみたが、想像事情に手軽に使えたのが、とても良かった。物撮りのほか、風景写真などの自然相手の撮影も、手軽におこなうことができたので、とても満足している。

さて、いかがだったでしょうか。動画の作例などを撮ることができていなかったので、物足りないと感じた方もいらっしゃると思いますが、機会がありましたら、また「Z50Ⅱ」を使用してみたいと思います。その時は、動画の撮影において、レビューをしてみたいと思います。

ニコンイメージングジャパン
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