【レビュー】祝・納車!2台のジムニーが我が家にやってきた 古いクルマなのに新しい!? 実車じゃなくてラジコンだけどね…(前編)
RAYWOODについて
今回のレビュー記事に登場する車両は、全てRAYWOODの製品になる。そもそも、RAYWOODとは、2017年に個人事業として設立され、アナログ画材の販売や充電式エアブラシの販売を手掛けた後、2020年に中国のWPL社と代理店契約をしRCカーブランドとして"WPL JAPAN"を設立、それに伴いRAYWOODを株式会社化をしている。現在は、RCカー事業を展開する"WPL JAPAN"、エアブラシ事業を展開する"PROFIX"、ホビー用品事業を展開する"DULO"の3ブランドを主な事業としている。
WPL JAPANについて
RCカー事業を展開するWPL JAPANブランドは、WPL社製のRCカーを、RAYWOODが日本仕様にして販売を行っている。日本仕様というには、技適マークの取得や電波法を遵守するのはもちろん、日本人が好むクオリティの高いディティールに仕上げて販売を行っている。
今回レビューするモデルについて
今回レビューするモデルは、今年の9月に発売したモデルで「スズキ ジムニー(JA11C)C74-1 RTR」というモデルになる。製品の名称にもあるように、スズキのジムニーがモデルとなっている。ジムニーの歴史をさかのぼると、今から54年前(1970年)に初代ジムニー「LJ10」が登場して以来、モデルチェンジを繰り返しながら長きにわたって、ジムニーを世に送り出している。今回、RAYWOODが販売するWPL JAPANモデルは、1990年に発売した「JA11」がモデルとなっており、さらには希少性の高い幌タイプの車両を忠実に再現している。本物の車両のほうはというと、いまだに人気の高いモデルとなっており、中古車市場においては、100万円を超える車両もあるほどだ。34年も前の車にもかかわらず、それも軽自動車だというのに、当時の新車に近い金額で取引がされていることを考えると、人気の高さがうかがえる。
なお、RAYWOODでは、2023年の秋にジムニーのバンタイプとして(JA11)C74 RTRを発売しており、4万台を販売するなど人気のモデルとなっている。
実物を見てみる
前置きはこのくらいにしておいて、早速実物を見ていこう!
届いた箱は、スケールサイズが1/10とは思えないほど、とてもコンパクトなものだ。箱自体も、おしゃれにデザインされており、箱から車両を取り出すまでも楽しめるあたりも、ワクワク感が止まらないといった感じだ。
箱から車両を取り出して完成された実物を見ると、ジムニーの車両をかなり忠実に再現している印象を受ける。箱から全てのモノを取り出してみると、すでに車両は完成されていることから、パーツがそう多くないことがわかる。大きく分けると、車両本体に、車両をコントロールする送信機(以下、プロポ)、600mAhのバッテリー、USB充電器、車両に取り付けるミラー棚の樹脂パーツ及びステッカー、そして取り扱い説明書となっている。プロポには電池が必要で別途単3乾電池が2本を用意すれば、すぐに走らせることができる。
車両の印象
車両のカラーは、ブラウン、レッド、ホワイトの3色展開となっているが、今回セレクトしたカラーは、ブラウンとレッドの2台だ(ホワイトは予約販売となっていたため、別の機会に検討したいと思っている)。ボディは、完全に塗装されていて、ピカピカということではなく、半艶の状態になっている。この半艶がなんともいえず、ジムニーにピッタリはまり好印象。クルマというと、キレイでピカピカ、というイメージが湧くと思うのだが、とかくジムニーに関して言えば、筆者の場合、キレイな車両の印象が少なく、使い込まれた、しかしくたびれた感じのしない、遊ぶためのクルマ、という認識が好印象につながったのかもしれない(少々偏った認識だとは思うが)。
細かなパーツを取り付ける
ディティールはよくできているのだが、仕上げとして細かなパーツを取り付けることで、その完成度が増すことから、実際に走行させる前に取り付けをおこなう。まずミラー、これは、ミラーが鉄製でできており、それをミラーカバーにはめ込むだけでよい。ただ、ミラーをミラーカバーにはめ込む際、ほんの少してこずったものの、はめ込むことができたので、車両に取り付ける。車両に取り付けると、グンと実車のような雰囲気がでてくる、そして次にエンブレムだ。このエンブレムは、スズキジムニー1型のグリルのみに装着されていたエンブレムになる。一般的には、"S"の1文字の車両が多いのだが、この辺りもこだわりのポイントとなっている。
最後にドアノブだ。ドアノブは、細かなパーツなので、取り付けに手間取ったのだが、これは、筆者が不器用なだけであって、取り付け自体はいたって簡単だ。取付には、接着剤が必要ないのもうれしいポイントだ。あとは、付属のシールをペタペタと張り付けていくと、オリジナル感が出て、自分だけの1台を作り上げることができる。本物のクルマにはシールを貼ることはないが、ラジコンということもあり、用意されているシールを好きなように貼れるのがそれだけで楽しい。
各部を見てみる
足回り
細かなパーツを取り付け終えたので、次に足回りや駆動系を見てみることに。特徴的なのは、なんといっても足回りかもしれない。驚いたのは、実車さながらリーフサスペンション機構(いわゆる板バネ)を採用していることだ。ちなみに、このリーフサスペンションに使用されている板は、RAYWOODによると、当初折れやすかったことから、改良を重ねて強化されているのだとか。ただ、あまり強化し過ぎると、固くなりすぎて、ラジコンとして遊ぶ際に、跳ねすぎてしまったりしてリアリティに欠けてしまうことから、強度を保つギリギリの薄さで制作しているとの事だった。そして、もう一つは、4輪駆動であることがすぐわかるように、前後にドライブシャフトが伸びている。シンプルな構造ながら、クルマの仕組みがよくわかるように作られているのが、なんとも好感がもてる。実際に、手で車体を沈み込ませたり、左右に傾けたりすると、しっかりとリーフサスペンションが追従してきて、その動きはとてもリアルだ。そして、沈み込みの量もしっかりと確保されているから、クロカン4駆として、走行させるのがとても楽しみになった。
外観
今回のモデルは、希少なモデルとなる幌タイプのジムニーをモデルとしており、幌部分をよく見てみると、シボ加工も再現するなど、幌感がよく出ておりいい感じだ。ちなみに幌部分は、ネジで取り付けられているだけなので、付属のドライバーでネジを取り除けば、幌部分を取り外すこともできる。幌を取り外したジムニーは、また、印象が変わり、幌のない状態も見て楽しめるあたり、なんかお得な感じがする。そして、今回のモデルは、2023年に発売したモデルと違い、左右の扉が開閉させることができる。そしてフロントガラス部分も可倒させることができるなど実車さながら、リアルに再現されており、この辺りは実によくできている。意味もなく、扉をパタパタと開閉させたくなるほどだ。このドア、実は扉部分に磁石を搭載しているようで、扉を閉める際に、しっかりとドアを受け止めてくれるので、走行中にドアが開くことはない。
付属の600mAhのバッテリーを繋いで、電源をONにすると、ヘッドライトが点滅し、送信機(プロポ)の電源を入れてクルマとの接続を完了させると、点滅していたヘッドライトが常時点灯へと変わる。点灯したヘッドライトの色が、昔のハロゲン光源を使用しているかのように、ほんのり黄色がかった感じが、何とも言えないなつかしさを思い起こしてくれる、そんな印象だ。付属のステッカーシールを貼っていくことで、より実車感が出てくる感じで、ステッカーを貼っているだけでも実によく楽しめた。
実際に走行させる準備が整ったところで
箱から出してのんびりとより実車に近づけるべく、細かなパーツを取り付けてきたが、ここまで進めることができたら、あとは、送信機(プロポ)とクルマをリンクさせるだけだ。車両と送信機のリンクが終了したら、送信機のスロットルレバーを手前に引けば、前進し、逆にスロットルレバーを奥に押し込めば、バック走行をしてくれる。左右の操縦は、送信機に装着されているタイヤを左右に回転させれば、回転させた方向に移動してくれる。レバー式の送信機と少々勝手が違うが、難しいことはなにもなく、いたってシンプルな操作で、走行させることができる。なお、送信機には、トリムレバーが搭載されているので、クルマが真っ直ぐ走らない場合は、微調整することで、真っ直ぐ走らせることが可能だ。この辺りは、結構本格的と言ってもよいレベルになっていた。詳しくは、後編でお伝えしたいと思う。
まとめ
前編は、車両の詳細をお伝えしてきたが、いかがだっただろうか。1万5800円という価格設定ながら、完成パッケージモデルなので、箱から出して送信機に単3電池を2本セットするだけで、走行させることができてしまう。バッテリーも標準で装備されているのもありがたい。
箱から出して思ったのは、「おっ、ジムニーだっ!」という一言につきる。つまり、すぐにジムニーだとわかるほどに、クオリティが高かったということだ。見れば見るほど、細部までしっかりとジムニーになっており、この作り込みは、なかなかのものだと感じた。ラジコンにするうえでセレクトしたモデルがまた、マニア心をくすぐるものがあり、走らせて遊ぶものというだけでなく、ただ飾っておくだけでもいい、そんなモデルに仕上がっていることに、ただただうれしく、ワクワク感が止まらなかった。
WPL JAPANの車両には、さまざまなカスタムパーツが用意されているので、後編では、その辺りに触れつつ、実際に走行させてみたレビューなどもお伝えできればと思います。とにかくカスタムパーツが豊富なので、ユーザー1人1人の個性を思いっきり出して楽しめるようになっている。久しぶりに童心にかえって、没頭したくなる、そんな気持ちにさせてくれるモデルなので、その辺りも伝わればと思っております。
それでは、次回、後編をお楽しみに!
最後まで読んでくださいましてありがとうございました。引き続き、「モノコト」の独自の視点でいろいろなモノを紹介・レビューしていきますので、気になった方は、のぞいてみてくださいね!