[Beats]アスリート向けオーディオの基準になる! ANC・心拍計測への対応するなど従来モデルを大幅ブラッシュアップ

Beatsは、ワイヤレスイヤフォンの新モデルとして「Powerbeats Pro 2(パワービーツプロ2)」を2月13日より販売を開始している。カラーはジェットブラック、ハイパーパープル、クイックサンド、エレクトリックオレンジの全4色が用意され、価格は3万9800円(税込)となる。

本モデルは、2019年に発売した "Powerbeats Pro"の後継モデルで、新たに"AirPods Pro 2"と同じ"H2チップ"を搭載し、心拍数のモニタリングやANC(アクティブノイズキャンセリング)、外部音取り込み機能が追加され、アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出すために設計されたモデルとなっている。
また、フィット感を向上させるイヤーフック型のスタイルを踏襲しており、よりよい着け心地を実現すべく、約1000名のアスリートを対象に1500時間以上もの徹底したテストが行われ開発。イヤーフックの素材には超軽量のニッケルチタン合金を採用し形状を見直すことで、サイズは従来モデルに比べて50%以上もの小型化を実現、サポート感、フィット感をより最適化させている。一方で、同社は"Appleファミリー"の一員であることから"AirPodsシリーズ"で培われた知見を取り入れることで、ハウジング形状や角度、ブリッジの形状を改良することで、さらなるフィット感の向上を計っているという。

イヤーバッド部分の"b" ボタンはマルチコントロールボタンになっており、押す回数や長押しをすることで様々な操作が可能となっている。デフォルトでは、ボタンを長押しすることで、"ANC"と"外部音取り込みモード"の切り替えが可能となっているが、アプリを使用してカスタマイズすることで"アダプティブイコライゼーション"※1を使用できるほか、音声アシスタント"Siri"の起動にも対応する。また、各イヤーバッドのブリッジ上部にはボリュームボタンが用意されており、スマートフォンを操作することなく耳元の操作だけで音量を調整できるようになっている。なお、通信規格はBluetooth5.3に準拠し、IPX4等級の耐汗・耐水性能を備えているので、たくさん汗をかくような激しい運動時にも安心して使用することができる。

※1:"アダプティブイコライゼーション"とは、装着状態のばらつきによる音の損失を補う機能で、内蔵された3つの内向きマイクが音を検知し、リアルタイムで低周波数と中周波数を自動的に調整することで優れた音質と一貫したリスニング体験を実現してくれるモードのこと。
付属するイヤーチップはXS/S/M/L/XLの5種類が用意される。従来までのS/M/Lに加えて新たに"XS""XL"が用意されたことにより、より多くのユーザーの耳にフィットできるよう配慮されるなど、最適なリスニング体験ができるようになっている。

音質面は、直径9.5mmのドライバーを専用に開発。2層構造のトランスデューサーや高出力アンプを採用し、新たなベント設計でチェンバーを搭載することで、クリアな高音、豊かな中音、重厚感のある低音を忠実に再現するなど、全高調波歪も最小限に抑えられている。リスニングモードは、"ANC""外部音取り込みモード""アダプティブイコライゼーション"の3種類に対応。"ANC"と"外部音取り込みモード"の両方をオフにすると、自動で"アダプティブイコライゼーション"がオンになる。また、本モデルはパーソナライズされた空間オーディオに対応し、"Apple Spatial Audio"との完全な互換性を実現。ジャイロスコープと加速度センサーで構成される内蔵の慣性計測装置 (IMU)の搭載により、ダイナミックヘッドトラッキングも提供してくれる。
内蔵マイクは、"AirPods Pro 2"と同等の音声用マイクが左右のイヤーバッドにそれぞれ3つ、ANCと外音取り込み用に使用する前後のマイクを2つ搭載、加えて音声を感知する加速度センサーの計6つを装備する。両耳に装着した場合には6つのマイクのうち5つが機能し、片耳装着時では3つが機能するようになっている。さらにiPhone・iPad・Mac・Apple TVのコンピュテーショナルオーディオ技術を活用することで、ノイズを抑えたクリアな音声を通話相手に届けることを可能にしている。
そして今回、初搭載となる注目の心拍数モニタリング機能は、10年以上にわたる"Apple Watch"の研究開発から生み出された技術を活用したもので、Beats・Apple製品として初となるイヤーバッドでの心拍数モニタリングを実現し、ワークアウト中でも高い精度で心拍数を読み取ることを可能としている。同社によると、耳は皮膚が薄く、血流が盛んに流れていることもあり、心拍数を計測するには最適な場所の一つとしてセレクトしているとのこと。本モデルは、左右両方のイヤーバッドで毎秒100回以上のパルスを発して血流を測定し、読み取ったデータを解析したうえで、測定結果を5秒ごとに出力できるようにしている。"Apple Watch"を装着しながら本モデルを使用する場合は、心拍数は"Apple Watch"側の結果が優先され、計測された心拍データは"Apple"のヘルスケアアプリにアーカイブされる。発売時点で日本国内で対応しているアプリは、「Nike Run Club」 や 「Slopes」 「YaoYao- ジャンプロープ」 などで、Androidプラットフォームにおいては、心拍数モニタリングに対応するすべての"Android"のフィットネスアプリとウェルネスアプリが本モデルに完全に対応するとしている。

バッテリー駆動時間は、イヤホン単体で最大10時間、充電ケースと併用することで最大45時間の駆動が可能。"ANC"や"外部音取り込みモード"を有効化した状態では、イヤホン単体で最大8時間、充電ケースを併用することで合計36時間の再生が可能となっている。また、USB Type-Cケーブルを利用して5分の充電で最大1.5時間の再生が可能な"Fast Fuel機能"に対応するほか、ワイヤレス充電にも対応したことで、充電時の利便性が向上している。本モデルには、"Apple"の"H2チップ"が内蔵されており、電力効率が大幅に向上している。電力を多く消費する"アダプティブノイズキャンセリング"(本モデルの場合は1秒当たり約200回の調整を実施)も低電力で動作するため、長時間のバッテリー持続時間に貢献している。また、"H2チップ"の採用により同社製品として初めて、"Apple Vision Pro"の超低レイテンシーロスレスオーディオに対応。"H2チップ"を搭載する"Apple Vision Pro"と、本モデルを同時に使用することで、ありのままの非圧縮サウンドをリアルタイムでレンダリングが可能となっており、映画や番組、ゲームの音声と映像を驚くほどの臨場感で体験できるとしている。
同社の製品は、"Appleデバイス"との親和性が高く、ワンタッチで可能なペアリングをはじめ、オーディオ共有や"探す" 機能、"Siri"や"iCloud"との紐付けなどが簡単に行うことができる。また、"Androidデバイス"での使用も想定した設計になっており、"Beatsアプリ"を使うことでワンタッチでのペアリングが可能なほか、"b" ボタンを長押しした際の機能をカスタマイズできたり、"Beatsを探す"機能によってヘッドホンが最後に検出された場所を地図上に表示することも可能となっている。
「Listen to Your Heart」キャンペーンには、大谷翔平選手も登場!
なお、同社では、本モデルの発売に合わせて、MLBの大谷翔平、NBAのレブロン・ジェームス、MLSのリオネル・メッシのブランドアンバサダー3人を起用した「Listen to Your Heart」キャンペーンも実施されている。自身も"Beatsユーザー"である大谷翔平選手は、「レブロン・ジェームズやリオネル・メッシとともにこのキャンペーンに参加させていただき、とても特別なことと感じています。大舞台で活躍するアスリートも、スポーツを始めたばかりの方も、自分の心と向き合うことは大切です。Beatsとのパートナーシップを通じて、皆さんにこのメッセージをお届けすることを嬉しく思います」とコメント。レブロン・ジェームス選手は、「発売当初からPowerbeatsシリーズの大ファンでしたが、Powerbeats Pro 2という新たな進化形を目にして興奮しています。音楽は自分のトレーニングにおける原動力といえる存在です。Powerbeats Pro 2は、すでにアイコニックな存在だったPowerbeatsシリーズをさらなる高みへ押し上げることでしょう」と語っている。また、リオネル・メッシ選手は、「私たちは、異なるフィールドで戦うアスリートですが、最高のパフォーマンスに対する情熱を共有しています。このキャンペーンは、真の力を引き出すのは心であることを示しています。つまり、私たちそれぞれが自身のキャリアを通じて、心を原動力とし、限界に挑んでいるのです」とコメントしている。異なるスポーツシーンのアスリートでありながら、共通する情熱を持つ3人のメッセージが表現されているキャンペーン動画も用意されている。
この"Beatsサウンド"をワークアウトだけで楽しむのはもったいない!
「Powerbeats Pro 2」は、製品デザインからサウンドデザインまで、あらゆるこだわりを感じることができるイヤホンだ。製品開発には最高の仕上がりを求めたこだわりが凝縮されている。同社は、「高音質なサウンドチューニングは大切だが、優れたフィット感を大事にすることでイヤホン性能を発揮できる」と語っており、よりよいイヤーフックの開発や5サイズのイヤーチップを用意するなどのこだわりはその現れだと言えよう。実機に触れた感想として、音質については低域から高域までしっかりと整えられて作り込まれたパワフルなサウンドを奏でるイヤホンだったというのが第一印象だった。音量を上げても低域も強すぎることなくなく音量を上げてもサウンドの厚みを加えながらしっかりと追従し音の乱れも感じられなかった。中域、高域も同様といったところで全体のサウンドバランスはとてもよく仕上げられているように感じた。従来モデルから約6年、"Powerbeats Pro"の進化を感じずにはいられないほどだった。本モデルは、スポーツやワークアウトのみならず、日常使いのイヤホンとしても十分に活躍する、そんなイヤホンだといえる。耳掛け式で貴重なカナル型、ANC搭載モデルとしておすすめできる仕上がりとなっているイヤホンだといえよう。
●価格(税込):3万9800円
●発売日:2月13日
●Beats:「Powerbeats Pro 2」製品ページ
※製品の価格及び仕様については、記事制作時のもので、その後諸事情により変更される場合があります