[ダイキン工業]熱中症防止の観点からもシーズン前に「エアコン試運転のススメ」
ダイキン工業は、夏前の「エアコン試運転」をおすすめする「スイッチオン!キャンペーン」を今年も実施する。2016年に開始して以来、今年で9回目となる。
なぜ「エアコン試運転」が必要なのかというと、本格的にエアコンが使われ始める7月頃になると、エアコン業界には点検や買い替えなどの依頼が集中し、修理や設置工事に通常よりも多くの時間を要する場合があるからだ。
もし故障が発覚して、猛暑の中修理を待たなければならないとしたら、かなり不快なことになるのは間違いない。そればかりか、熱中症になる危険性もあるので、その危険性を防ぐという意味においても必要かつ重要な措置といえる。例年、65歳以上の高齢者を中心に多くの人が熱中症で救急搬送され、近年では北海道や東北地方など、比較的涼しい地域でも救急搬送者数が増加(※1)している。熱中症による死亡者が1000人を超える年も増えているのだからなおさらである。
※1:消防庁 『熱中症による救急搬送状況(令和5年) 「都道府県別救急搬送人員(昨年比)」』より
それほどにまで重要な「エアコン試運転」であるが、その認知度や実施率はまだまだ低いのが実情のようだ。そこで同社では「地域や年代におけるエアコン試運転の普及実態」について、全国の20~70代、 計2100名を対象に調査を行ったところ、夏前に「エアコン試運転」を実施したほうがよいことを知っている人の割合は40.4%、実施率は 21.8%と低水準であることがわかった。中でも北日本では、近年熱中症での救急搬送者が増加傾向にある反面、東日本や西日本と比べて試運転の認知率や実施率が低いことが明らかに。全体の年代別では40代の認知率や実施率が最も低いことが判明したという。
試運転をしていない理由としては、”適切な実施時期の分かりづらさ”に関連する内容が最も多かった。同社は、計画的なエアコン試運転のサポートを目的に考案した「夏のエアコン試運転指数」をもとに、2024年版の「夏のエアコン試運転前線」を公開することで、実施のタイミングをわかりやすくしている。
「夏のエアコン試運転指数」は2023年に考案され、天気予報で報じられる気温と照らし合わせれば、試運転に適した日が一目でわかるようになっている。気温23~25℃を「最適な時期」として、21~22℃を最適に次ぐ「適した時期」、20℃以下を「不向き」としている。また、 気温が26℃を超えた場合、熱中症の心配も出てくることから、急いで実施するように促す。
「夏のエアコン試運転指数」とあわせて考案されたのが「夏のエアコン試運転前線」で、全国の各地域でエアコン試運転指数が高まると思われる予想日を表すもの。エアコン試運転指数が高く、より効果的な試運転ができると考えられる気温25℃の日がいつ頃やってくるのかを前もって把握できるため、計画的な試運転の実施に役立つ。本前線に記載の予想日は、全国の各地域の過去5年間において、各年の最高気温が25℃に達した最初の日を調査し、それらを平均した日としている。今年の試運転前線は、4月上旬に那覇に上陸し、4月中旬には九州・ 中四国から太平洋沿岸地域へ、その後本州を北上し、5月後半に札幌へ到達すると予想している。
「エアコン試運転」は40代の認知率や実施率が最も低いが、65歳以上の高齢者の認知率や実施率は逆に高い半面、4人に1人は夏場にエアコンを1ヵ月しか使っていないことが判明。高齢者は加齢により暑さを感じにくくなると言われており、気付かないうちに重篤な熱中症になってしまう可能性もある。エアコンを適切に使うことを高齢者に呼び掛けることの重要性も浮き彫りとなる結果となった。
〈調査委概要〉
- 調査名:地域や年代におけるエアコン試運転の普及実態(調査期間:2024年3月14日~3月18日)
- 調査対象:全国の20~70代の男女
- 有効回答数:2100サンプル
では実際に「エアコン試運転」する際の手順やチェックポイントを見ていこう。エアコンの試運転は、エアコンを本格的に使いはじめる前に、エアコンに不具合が無いことを確認する作業であり、冷房運転の際に冷風が出ることや、異常を示すランプが点灯しないことを確認することが基本。また、より念入りに確認することで、室内機からの水漏れや、異臭や異音の有無も確認できる。
- 【 お手軽コース 】:①冷房の設定温度を最低(16~18℃)に設定し、10 分ほど運転する。②冷風が出ているか、異常を示すランプが点滅していないか確認する。
- 【 念入りコース 】:①②に続けて③さらに30分ほど冷房運転し、室内機から水漏れがないか確認する。④不快なニオイや聞き慣れない音がしないか確認する。以上だ。
さらに同社では節電につながるエアコンの上手な使い方も紹介しており、2週間に1回フィルター掃除をすることや、室外機にカバーをかけたり、室外機の周辺に荷物を置いたりせず、室外機周辺の空気の流れを妨げないようにすることを推奨している。フィルターのホコリと室外機周辺の障害物で、電気代が1ヵ月1700円以上ムダになることもあるというから、これらも大事なことだろう。また、エアコン風向や空気清浄機などを使った空気の撹拌で、温度ムラを抑えることもオススメしている。
「エアコン試運転」は頭ではわかってはいても、面倒くさいというか、実施するにはなかなか腰が重い作業のひとつだろう。いざ本格的に暑くなってからエアコンに不具合があったら困るのは自分なのに。今年は、エルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象になる可能性も示唆されており、昨年夏以上に暑い夏になりそうなので、「夏のエアコン試運転指数」と「夏のエアコン試運転前線」を参考にして早めに対策して、快適な夏を過ごしたいものだ。
●ダイキン工業 公式サイト:エアコンスイッチオン!キャンペーンはこちらから!