フェンダー ミュージカル インストゥルメンツ コーポレーションは、エレキギター/アンプブランドのEVHより、新モデル「SA-126」を2024年5月に発売することを発表した。
EVHはヴァン・ヘイレンのギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンがフェンダーと共同開発し、2005年に設立したブランド。エドワードのロック史に残るプレイやサウンドは、2020年に彼が亡くなって以降も、ギターやアンプなどの機材に大きな影響を与え続けている。
自身のバンド、Mammoth WVH（マンモス WVH）で活動中のウルフギャング・ヴァン・ヘイレンはエドワードの実子でもあり、そのウルフギャングのシグネイチャーギターとして発売される新モデルが「SA-126」だ。
本製品は、ウルフギャング、マット・ブラック、そしてEVHのマスタービルダー、チップ・エリスとの3年にわたる共同開発のプロセスを経て生み出されたモデルで、従来のクラシックなスタイルと、最先端のハイパフォーマンスギターのデザインと特徴を融合させたユニークな製品に仕上げられている。そのユニークさを象徴しているのが、セミホロウギターとソリッドボディギターのハイブリッドとなっていることだろう。開発に携わったウルフギャングが「まだ存在しないギターを作ることだった」と言うのもうなずける。ボディのトップに空いた穴は「E」の形をしており、セミホロウタイプであることを主張しながら、このギターならではの個性も感じさせる。
ウルフギャングが自身のバンドのツアーで2年以上にわたってクラッシュテストを行った本製品は、セミホロウ楽器でありながら、耐久性も折り紙付き。サウンド面も明瞭度の高いクリーン・トーン、燃え上がるようなリード・プレイ、ブルータルなコード・サウンドを高い次元で実現し、幅広いサウンド・メイクに対応するギターと言えよう。この個性的なギターはエレキギターの新たなカテゴリーを作り出す可能性まで秘めている。
本モデルのピックアップは、フェンダー社専属の伝説的ピックアップデザイナー、ティム・ショウがEVHチームと共同で特別に製作した、カスタムワウンドのハムバッキング・タイプ。ブリッジ側とネック側にそれぞれひとつずつ搭載された、２ハム仕様だ。これにより、ガラスのように透き通ったクリーンサウンドから、最も耳の肥えたゲインサウンドファンをも満足させる極上のドライブトーンまで、幅広いサウンドを奏でてくれる。
ボディはマホガニーにバスウッドセンターブロックを採用し、ソリッドカラーモデルにはメイプルトップを、トランスペアレントカラーモデルにはキルトメイプルトップをあしらい、5-plyボディバインディングが施されるなど、見た目も高級感あふれる仕上がり。ネックはマホガニーで、グラファイト補強ロッドを内蔵し、22本のジャンボフレットとトリプルブロックインレイを採用した12〜16インチコンパウンドラジアス仕様のエボニー指板を装備。24.75インチスケールで、ネックエンドには、スポークホイールを装備し、トラスロッド調整が簡単に行えるのもうれしい。
コントロールは、アッパーホーンに配置された3ウェイトグルスイッチでブリッジ、ブリッジ＆ネック、ネックの各ピックアップポジションを切り替えられる他、2つのボリュームと2つのトーンノブでそれぞれのピックアップコントロールが可能。その他、Harmonicaブリッジ、ストップバーテイルピース、オーバーサイズのストラップボタン、キーストーンチューニングペグを装備している。
本製品にはハードケースも付属し、アイボリービニールの外装と、ブルークラッシュドベルベットの内装を持った仕様となっている。
ラインアップは2種類で、一つは「SA-126 Special」。メイプルトップ仕様で、カラーはMatte Army DrabもしくはStealth Blackモデルの2色を用意する。もう一つは「SA-126 Special, Quilted Maple」。キルトメイプルトップ仕様で木目も鮮やかなゴージャスな見た目で、カラーはTransparent Purple とTobacco Sunburstの2色を用意。その他の仕様はここまで記載した通りの共通のものだ。
偉大な父を持つギタリストのシグネイチャーモデルということもあり、非常に注目度の高いギターだが、父と同様に誰とも似ていない個性的な１本に仕上がっている。この「SA-126」から今後どれだけユニークで新しいサウンドが生み出されるのか、期待は高まるばかりだ。
●価格（税込）：「SA-126 Special」＝31万9000円、「SA-126 Special、Quilted Maple」＝34万1000円 ●フェンダー ミュージカル インストゥルメンツ コーポレーション：公式サイト ●EVH：公式サイト
※製品の価格及び仕様については、記事制作時のもので、その後諸事情により変更される場合があります。
