【レビュー】豆挽きから抽出までわずか90秒でおいしいコーヒーが抽出できるってホント?実際に使って検証してみたっ!
今回試す製品を開発した企業について
今回試す製品は、キッチン家電ブランドのクイジナートから発売されたばかりの製品で、本サイトでも情報記事として公開している製品になる。
クイジナートとは
そもそもクイジナート社とは、アメリカにて1973年1月に電気調理器である「フードプロセッサー」の開発に成功し販売を開始した企業。1978年6月に、日本の三栄コーポレーションとクイジナート社が業務提携をし、電気調理機器等を日本にて生産し、世界に供給を開始してきた。2013年の7月には、アメリカのコンエアー社の子会社となり、コンエアージャパンと社名を変更し、現在にいたる。
使用する製品について
前置きが長くなってしまったが、今回試す製品は、コンエアージャパンから発売された、キッチン家電ブランドのクイジナートのモデルで「トリップワン ミル付コーヒーメーカー(DGB-2KJ)」という製品になる。豆挽きから抽出まで行えるモデルとなっており、最大の特徴は、なんといっても豆挽きから抽出までわずか90秒で行えることだろうか。朝の忙しい時間帯でも、本格的なコーヒーを淹れることができるのが、魅力の製品だ。本格的なコーヒーを淹れるため、豆を挽くミルにもこだわっており、安価なモデルに使用されがちなプロペラ式ではなく、本格的なモデルに使用されるコニカル式を採用しているのがポイントだ。また、ミルの刃にはステンレス製の刃を使用しているため、均一に挽くことができることから、豆を傷めることなく、雑味を抑えることができることから、豆本来の味を最大限引き出すことができる。
挽いたコーヒー粉は、筒状のフィルターカップに溜まる仕組みになっており、深さのある形状になっていることもあり、コーヒー粉の層を厚く作ることが可能となっている。筒状にするメリットとしては、粉全体にお湯を浸透させやすくなり、短時間で蒸らしを完了させることができる。そして、フィルターには、ステンレス製のフィルターを採用。洗うことが何度も使用することができて経済的となっている。
一杯のコーヒーを、それも豆から挽いてドリップした本格的に淹れたコーヒーを90秒で飲めるというのは、コンビニのコーヒーマシンでも、難しいのではなかろうか。
ということで期待値が高まったところで、実際に使ってみることにしよう!
実際に使ってみる
製品の特徴を把握したところで、実際に使用してみることにした。まずは、箱出しから。実際に届いた製品を箱から出してみると、思いのほか、コンパクトなことに驚いた。事前に写真で確認していたのだが、その時は、もう少し大きめなサイズを想像していたので、コンパクトなサイズ感に好印象を持った。なぜコンパクトなモデルに好印象を持ったのかと申し上げると、我が家は決して大きな家ではなく、むしろコンパクトな家なので、大きなものはあまり置きたくないという思いが常にある。家電製品も、ミニマム化が進んでいる中、大きな製品は、正直、取り扱いに困る場面も多い。場所を取ってしまうことから、機能が素晴らしくても、購入に至らない人も多いのでは?思うところもあり、筆者は、極力コンパクトなモデルを好んで使用している。コンパクトで、性能が優れていれば、言うことなし、というのが、主な理由。
さて、箱から出してキッチンに設置してみると、これまで使用していたコーヒーメーカーよりも2回りほどコンパクトなので、置き場所にあまり迷うことなく、設置することができた。ちなみに、右隣の製品もクイジナートの製品で、ゆで卵メーカー「クッキングスチーマー」になる。毎朝、忙しいタイミングでも、出かける準備の最中でも簡単に半熟卵などを作ることができるので、便利に使っている。これはお世辞抜きに使いやすい。
説明書によると、まずウォータータンク、フィルターカップ、フィルターを取り外して水洗いをする、とあるので、一通りおこなう。次に、ウォータータンクに「MAX FILL」までセットしたら本体に取り付けて、湯通し(内部洗浄)をおこなう。この湯通し作業は、3~4回繰り返し行った(説明書には、2~3回との記載あり)。もちろん、フィルターもセットしておこなった。
いよいよコーヒーを淹れてみる
準備が完了したところで、いよいよコーヒーを淹れてみることに。まずは、ウォータータンクの「MIN FILL」と記されたラインを超えるまで水を入れ、本体にセットする。次に、ドリッププレートにカップをセットし、電源を入れる。本体に設置されているコーヒー豆投入口より約100gのコーヒー豆をセットして蓋を閉じ、フィルターカップをセットした筒をフィルターカップ受けにセットする。これで、ひとまず準備は完了だ。事前に豆をセットしておけば、この作業自体は、わずか30秒ほどで完了する。あとは、ミルボタンを押せば豆挽きの開始だ。
豆挽きの際、ボタンの押し方によって粉の量が変わるようで、短く押した場合(約1秒)は約9g、長めに押した場合(約2~3秒)は約11gのコーヒー粉が挽かれるようになっている。とりあえず、濃いのが好みの筆者は、長押しで約11gの豆挽きをセレクト。ボタンを押すとわずかな時間(感覚にして10~11秒程度)であっという間に豆が挽き終わる。挽き終わったらフィルターカップの蓋を閉じて、カプセルホルダーにセットし、抽出量を、Sサイズ、Mサイズ、アイスコーヒーのいずれかからセレクトして押すだけでOKだ。抽出にかかる時間は、180mlのMサイズで約1分20秒強といったところだろうか。約11gのコーヒー粉に、180mlのMサイズの抽出で、計算上は90秒強だが、セットなどを含めると、2分~2分半程度だろうか、抽出ボタンを押して、ドリップするまで3分足らずでコーヒーを淹れることができてしまう。
実質の稼働時間は90秒だが
確かに豆挽きから抽出までの時間は、早い、その一言に尽きる。豆挽きを11gに設定し、抽出量を180mlに設定して淹れた場合で実質稼働時間は90秒強なので、豆挽きを9gに設定し、抽出量を140mlにしたら、恐らく90秒を切るであろうことを想像するに、正しく電光石火のごとく淹れることができると思われる。
普通においしいコーヒーが淹れられる
ドリップが終わり、試飲してみると、こんなに早くに淹れたコーヒーでも、雑味のない、おいしいコーヒーを淹れることができた。拍子抜けしてしまうほど、あっという間にお試しが終わってしまい、何とも物足りない感じがするものの、淹れたてのコーヒーは、アツアツで、とてもおいしいので、ひとまず満足といったところだ。ホットコーヒー以外にも、アイスコーヒーも淹れることが可能で、この場合は、約90mlを抽出することになり、氷を入れて薄めることを前提とした抽出がしっかりとおこなわれることがわかる。ちなみに、このアイス用ボタンは、カフェオレにも対応するので、カフェオレが飲みたい時も、同じボタンで抽出をおこなうことになる。
なお、豆挽きからおこなわず、挽いた粉をセットして淹れることも可能で、実際に試してみたところ、淹れたコーヒに差は感じられなかった。粉の計量には付属品の計量スプーンでおこなえ、フィルターですくい取ったコーヒー粉をフィルターにセットしたら、後は、抽出ボタンを押すだけと、とても簡単。どちらで抽出してもお手軽にコーヒーを淹れることができるのには変わりはない。
使用後のお手入れ
使用後のお手入れは、フィルターカップのコーヒー粉を洗い流し、ドリッププレートを洗えば、終了だ。なお、ステンレスのフィルター、フィルターカップ、ドリッププレート、ドリップトレーは、食洗器にも対応しているが、コンパクトなサイズなので、手洗いでササっと洗い流した方が早いかもしれない。ちなみに、ウォータータンクは、食洗器に対応していないので、手洗いの必要はある。
なお、ミルユニットも取り外しが可能なので、毎回とは言わないまでも、異なる豆を使用する場合は、お手入れした方がよさそうだ。ミルは、水洗いに対応しておらず、付属のブラシで粉を取り除いたら外面は、固く絞ったぬれ雑巾で拭き取ることでお手入れは完了させられる。ミルのお手入れも、おいしいコーヒーを継続的に淹れるための作業と思えば、さほど、面倒な作業ではない。むしろ、こういう作業が好きな筆者にとっては楽しみの一つでもある。いずれにしてもおいしいコーヒーを淹れるためには、お手入れはマメにおこなった方がよさそうだ。
気になったところ
今回、豆挽きから、ドリップまで、コーヒーを淹れる一連の流れを、一台のマシーンで行ったわけだが、わずかな時間で一杯のコーヒーが楽しめたのは、とても良かった。限られた時間の中で、より至福の一時あを味わえる製品はなかなか存在しないことを考えると、貴重な製品だと感じた。
だからこそ、気になってしまった部分がいくつか存在する。
一つは、コーヒー豆を挽く際、本体にセットするフィルターカップが、本体に完全に密着するのではなく、わずかに隙間が存在できる。そのわずかな隙間から、コーヒー粉が、ちょこちょこと飛び出してきてくるのが少し気になってしまった。とはいえ、手動で豆挽きをしても、粉がこぼれることもあるので、そんな細かいことを気にしてはいけないのかもしれない…のだが気になったのは事実だ。これは性格なので仕方がない。
それともう一つ、ドリップ時に、これは、他社の製品にも同じことがいえるのだが、カップの形状にもよるところが大きいこともわかってはいつつ、ドリップされたコーヒーが少し飛び散ってしまうことだ。拭き取ればいいだけなのだが、この辺りをなんとか改善してほしいろころだ。現状の対策としては、アイスコーヒーなどに使用するトール形状の断熱コップを使用すると、ちょうど抽出口に近い場所にコップがセットされるので、今のところ、結果オーライで使用している。もし今後のモデルで改良されることがあれば、抽出口の高さ調整機能が追加されることを期待したい。
とはいえ、わずか90秒でコーヒーを淹れることができる、という謳い文句に偽りはなく、本当にわずかな時間で手軽に本格的なコーヒーを淹れることが、それもおいしいコーヒーを楽しむことができるのは、時間に追われている現代人にとっては、ありがたい存在になるに違いない。
欲を言えば、2杯分の抽出ができる設定ボタンがあれば、最高なんですけどねぇ。
まとめ
今回、豆挽きから抽出までをわずか90秒でおこなえるというコーヒーマシンを試してみたが、確かに実質90秒程度でコーヒーを淹れることができた。ただし、それは実質の時間であって、準備を含めると、もう少し時間がかかる。まぁ、厳密にいえばの話だが。その辺りは、追求するところではない。結局のところ、わずかな時間で淹れたコーヒーでもおいしいかどうかが重要で、その答えとしては、おいしいコーヒーを淹れることができたと言える製品だった。
我が家では、基本的に豆を挽いた状態の粉を購入することが多い。妻がこだわっているのか、ペーパーフィルターを使用し、蒸らしを行い、ドリップして淹れたコーヒーは、筆者が同じ工程を行った場合よりも格段においしい。何度やっても同じなので、筆者は、飲む専門なってしまった。しかし、今回の製品のように、淹れ方は一定で行われることから、人がおこなうことと言えば、ウォータータンク水をセットし、豆をセットし、フィルタカップをセットし、コーヒーカップをセットしたら、最後にボタンを押すだけなので、誰でも同じクオリティのコーヒーを淹れることができる。あとは、好みの豆をセットできるかどうか、ということになるので、そのあたりは、のんびり好みの豆を探すことにすればよい。これは、これで楽しみの一つになる。
実は、製品の作りで、筆者お気に入りの個所が一つある。それは、本体の側面に設けられているフィルターカップ収納部だ。この収納部、一見するとどこに収納部があるの?とおもうほど、目立たない。正面から見て左側面にその場所は存在する。収納部下部を押すとパカッと開く仕組みになっており、そのギミックが、なんとも秘密基地的な、そんな印象で、ワクワクさせられる。実際のところは、本体をスリムにして、設置性を高めるために行われたのだということはわかってはいつても、こんなところに、収納させるところが、無性に気に入った部分だった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、次回のレビュー記事をお楽しみに!