[レビュー]高齢の父の見守りアイテムとして「まもサーチ3」を使ってみた! 外出時にはぐれてしまっても、慌てることなく探すことができる

今回レビューするのはBBSSというソフトバンク系の企業から発売されているGPS位置情報機器「まもサーチ3」という製品です。ここ数年、筆者の父の様子がおかしいと母から連絡を受けることが多くなり、病院に連れて行くと記憶障害と軽度の認知症を患っていることが判明しました。受け入れがたい事実に困惑しながらも、すぐに何かが困ることはないと思って過ごしていたのですが、1年ほど前に、両親がコロナウイルスに感染し2人揃って病院に隔離されることになったことをきっかけに、父の症状が少し悪化したように見受けられことがありました。それは、父が外出した際の事でした。外出先から自宅に帰ってこれない、と母から連絡をうけ、慌てて実家に戻ると、父が帰宅するはずの時間から、かなり経過している状況でのなか、最悪の状況も想定しながら警察からの連絡を待つこととなりました。結果的には、18時間後に、25㎞も離れた場所で警察に保護され、引き受けに行くことができました。父は疲労困憊しておりましたが、ケガもなかったので事なきを得ましたが、待つ家族からすると、生きた心地がしませんでした。そのことがきっかけとなり、GPSによる位置情報の機器を導入を考えるようになりました。今回のレビュー記事では、正確な位置情報がスマートフォンで簡単に確認することができる「まもサーチ」という製品にフォーカスして、実際に使ってみた感想をお伝えできればと思います。それでは、本編をどうぞ。
BBSSという企業について
今回のレビュー記事で取り上げる製品は、BBSSから発売している「まもサーチ3」という製品だ。まずは、BBSSという企業について触れてみよう。
BBSSは、2006年にソフトバンクBBから分社し、設立された会社で、ソフトバンクグループの一員になる。コンシューマー向けソフトウェア、およびIOTサービスの企画・開発、提供、法人向けライセンスの販売を行っている企業で、有名なプロダクトとしては、今回レビューする「まもサーチ」や、詐欺サイトからの攻撃を自動的にブロックする対策ソフト「みやブル」などが挙げられる。
「まもサーチ」について
「まもサーチ」は、大切な人を「みまもる」「さがす」という見守りを目的としたアイテムで2020年4月に登場した。家族に端末を持たせるだけで、どこに居るのか、そしてどんな経路を通ったのかなどがリアルタイムでアプリの地図上で確認することができる。



初代モデルが登場した翌年には、「まもサーチ2」が発売され、2023年には、今回レビューで使用することとなった「まもサーチ3」が登場している。
その精度は、一般的なGPSの電波だけでなく、準天頂衛星システム「みちびき」の電波も利用することで、正確な位置を把握することができる。さらにWi-Fiの電波を利用して市街地や地下でも位置情報を取得することが可能だから、仮にGPSで測位できない場所であっても、位置情報の取得を可能にしている。

使用に当たっては、通信料として月額528円が必要になるが、年間契約で申し込みをすれば、5,500円と836円もお得なプランも用意されている。わずか5,500円で家族の見守りがおこなえれば、決して高い金額設定ではないと思われる。ちなみに、本体の価格は、5,280円(税込)となっている。

【主な機能】
- 現在地検索:アプリの地図上に現在地を表示、今どこに居るのかが分かる。
- 位置情報の定期更新:定期的に自動でアプリの地図上に現在地を表示してくれる。
- 現在地発信:まもサーチ本体から現在地を発信し、登録しているスマホに通知することができる。
- エリア通知:施設や学校などのよく行くエリアを設定しておくとエリアへの出入りを登録したスマホに通知してくれる。
- 移動履歴:まもサーチ本体が通った経路を検索することができる。
「まもサーチ」は、1台につきスマホ5台まで登録することができるから、家族間で見守りができるという点もポイントだ。見守りを1人で行うのはちょっと心配、そんな時に、家族を追加しておけば、万が一、確認ができない状況でも、家族の誰かが見守りを代わりにおこなうことができる。
主な機能の使い方については、次の動画で確認してみてほしい。
実際に使ってみる
「まもサーチ」とは、どんなアイテムなのかが分かったと思いますので、ここからは実際に使用するまでの手順や、使い勝手について、お話をしていきます。
導入にあたって
さて、「まもサーチ」というモノがどういう製品なのかがある程度わかったところで、実際の導入はどうすればよいのか、その辺りを詳しくお伝えしよう。
【本体を購入】
導入には、まず「まもサーチ」本体を購入する。購入先は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、といったECサイトで購入することができる。
【アプリのダウンロード】
次に、スマホに専用のアプリをダウンロードする。アプリは、iPhone、Androidのいずれも用意されているから、安心だ。iPhone使用者はこちらから、Android使用者はこちらから、それぞれダウンロードをして、インストールをおこなう。



【会員登録】
続いて、会員登録をおこなう。登録の手順は、まずスマホにダウンロードしたアプリを起動して「初めての方」をタップする。タップすると、ユーザーネーム、メールアドレス、パスワードの設定を求められるので、それぞれ入力をし、登録をおこなう。
すると、登録したメールアドレスに認証番号が送られてくるので、送られてきた番号を入力すると会員登録が完了する。
【本体の登録】
会員登録が終わったら、次は本体の登録をおこなう。アプリ上で「管理者としてまもサーチ本体を登録する」をタップする。続いてまもサーチ本体の背面に記されている2次元バーコードを読み取りまもサーチ本体と連携して登録をする。2次元バーコードをスキャンすると「スキャンが完了しました」と表示されるので、これで登録が完了となる。

スキャンすると登録が完了する


【プランの選択】
続いてプランの選択をおこなう。料金プランは、月額での支払いもしくは、年額での支払いの2パターンしかないので、どちらかをセレクトする。先にも記した通り、年額プランだと、月額プランより836円お得だから、使用状況に応じて検討した方がよいだろう。
【決済情報の入力】
通信料金は、クレジットカードで支払うことになるので、クレジットカードの登録が必要になる。決済情報を入力したら、利用を開始することができる。
実際の利用
準備が整ったところで、早速、アプリを起動させてみると、すぐに「まもサーチ」の表示が行なわれる。スマホの画面には、現在の「まもサーチ」の場所がアイコンと共に表示されるようになっているから、とても簡単に使うことができた。今回使用した「まもサーチ」は、2023年に発売された「まもサーチ3」で、LTE通信網と衛生測位システムに加えて、衛星電波が届かない屋内や地下でもWi-Fiを利用して位置情報を伝えてくれるということで、かなり精度が高い情報が表示されるため、安心感がとても高いと感じた。
エリアを設定しておく
アプリには、エリア通知という項目があり、まもサーチ本体が登録したエリアに入った時と出る時に通知してくれる機能で、0.1㎞~1㎞の範囲で設定が可能となっている。設定しておけば、今エリア内に居るのか、それともエリア外に居るのかが一目で分かるようになっている。

設定が可能で、エリア内に出入りする時に
通知が来る仕組みになっている

アイコンをタッチすれば住所まで記してくれるので、捜索する際にはかなり役立ちそうだ

どの道を通ったのかなどもわかる
なお、アプリでの管理だけではなく、本体から現在居る場所を通知することができる機能も搭載。本体正面の中央に、丸ボタンが用意されており、このボタンを3秒間長押しすると、LEDライトが水色に点滅をし始めてくれる。これは、本体からアプリに位置情報を伝えるもので、万が一の時の防犯対策に役立つ機能となっている。
実際に長押しをしてみると、アプリを登録したスマホに通知音とともに【現在発信】という知らせが来るので、アプリを開いてすぐに確認することができる。
「まもサーチ」を持たせる
まだ小さな子供であれば、ランドセルに括り付けたりすることもできるが、中学生や高校生にもなると、持たせることが難しくなりそうだ。子供を管理する、といった理由で使用すると、恐らく持ってくれない確率が高くなりそうなので、家族全員で持ち合うなど、むやみやたらに、どこに居るのかなどを追求しないなど、ある程度のルール決めをして持たせる方がよさそうだ。強制すると、家族間のトラブルの元になりかねないので、いくら家族であっても、しっかりとプライバシーを守るモラルのある使い方が必要だろう。しかし、一方で、これがこと高齢者となると、そうもいかない。高齢者でも健常者であれば、予防策として「持っていると安心だから持っていてね」、と一言いえばいいのだが、記憶障害や認知症を患っている人には、「まもサーチ」自体を理解することが難しいだろうから、モノの説明というよりは、見守る家族が、どう持たせるか、身に着けさせるかを考える必要が出てくる。

認知症を患っている当人は「まもサーチ」の存在自体がどんなものなのかを追求しないので、持たせること自体は簡単なのだが、どう持たせるのかが問題になってくる。不用意に、カバンの中に入れておくとか、ズボンのポケットに入れておくだけでは、見慣れないモノを見つけた途端に、その場で捨ててしまう可能性も出てくる。そういった事態を防ぐためにも、例えば、身に着けているシャツやズボンに取り外しずらいように括り付けるとか、カバンを持ち歩くようであれば、カバンの内ポケットに入れつつ、ストラップでジッパーなどに括っておくといった工夫は必要かもしれない。ネックレスのように首からぶら下げる、というのもアリだろう。

ケースのカラーは、全10色が用意されている

他に用意した方がよさそうだ

外れにくく、邪魔にもなりにくい

ストラップ、もしくは紐などでしっかりと括っておくといいだろう
そして、認知症を患った高齢者には、「まもサーチ」自体の操作(長押しなど)はほぼできないと思っといた方がいいだろう。そのため、出かける際は、エリア設定をしておき、万が一、迷子になってしまった場合には、エリアの外に居るのか、それとも、エリア内に居るのかを確認したうえで、位置情報を確認しながらの捜索が必要になるだろう。

基本的に、警察に届け出をしても、本人がスマートフォンを持っているからといってもGPSで居場所を特定するようなことはしてくれない。本人から警察に連絡をするように促しても、本人が電話をしない限り、居場所を特定できないとして、捜索はしてくれるものの、なかなか発見するのは難しいようだ。
そういう状況下でこそ「まもサーチ」はその性能を発揮してくれそうなので、見守る家族からすると、とても頼もしいアイテムであることは間違いない。
バッテリーの持ちがいい
電池には、リチウムイオン電池を使用しており、一度充電すると最長で2か月間の見守りが可能だから、マメな充電が必要ないのも、ユーザーにとっては便利だ。「まもサーチ」のバッテリー残量が少なくなると、本体のランプとアプリで知らせてくれるので、そのタイミングで充電すればいい。ただ、使用後は必ず充電しておくということを習慣づけておかないと、いざ使いたい時に、使えないということにもなりかねないので、注意が必要だろう。せっかく毎月使用料を払っているのだから、出かける際は、肌身離さず持ち歩くことを習慣付けるといいかもしれない。
ペットやモノに使用する
なにも人に持たせるだけでなく、ペットやクルマに取り付ける、という使用方法もできる。特に猫などは、ちょっとした窓の隙間から気まぐれで外に出てしまうこともあり、飼い主を不安がらせることもある。一昔前であれば、犬は、外で飼うのが一般的で、筆者の近所の犬は、よく脱走していたことを記憶している。郊外ということと一昔前ということでそんなことも許されていたのだろう。しかし、今の時代、何があっても結果的には飼い主の責任になるばかりでなく、持ち去られてしまうなんてこともあり得る。これは、クルマや自転車、バイクなども同じことが言える。

被害を最小限に抑えるためにも、「まもサーチ3」のようなアイテムを使用する必要が、治安のよい日本でも必要になってきていると感じる。
解約したい場合
使用頻度が少なくなってくると、解約したい場合は、アプリから課金解除をすることができる。この際、解約金はかからない。課金解除をした場合でも、すぐに利用できなくなるのではなく、サービス利用期間内であれば、次回の支払予定までは引き続きサービスを利用することができる。ただし、サービスの利用期間が終了し、解約扱いになった本体は再度アプリに登録することができないので、注意が必要だ。そして、一度登録を行ったまもサーチ本体は、別のアプリ・アカウントで再利用することもできないようになっている。もちろん、使用済みの端末を譲渡して利用することも出来ない。
解約手順は、アプリの「メニュー」の「みまもり設定」から登録した本体のアイコンをタップする。すると「まもサーチ本体情報」が表示されるので、「お支払い履歴」をタップし「登録済みのまもサーチ」のリストをタップする。そして「プランの変更と解除はこちら」をタップする。タップ後すぐに、登録した際のメールアドレス宛に解除手続きをおこなうURLが送られてくるので、そのURLをクリックして、「継続を解除する」をタップして、内容を確認したうえで解除をおこなう流れになる。
なお、サービスの継続解除以外に、サービス退会の手続きもアプリから可能だが、サービスを退会するとその時点で、アプリにログインできなくなるので、もし退会をする場合は、今後使用しないということが明らかになった時に行った方がよいだろう。
まとめ
今回、以前から気になっていた、みまもりGPS「まもサーチ3」を使用してみたが、とにかく安心感がとても高いと感じた。このようなGPSによる位置情報の確認できる機器(GPSトラッカー)の存在自体は、もちろん知っていたが、使用する機会については、正直あまりピンと来ていなかった。筆者には、子供がいないこともあり、その辺りの危機感を感じていなかったのが主な理由だ。
しかし、2年ほど前から父の様子がおかしいと、母から連絡が受け話を聞くと、どうやら記憶障害を患っているということだった。年齢からするとそういったことも考えられると思いながらも、まさかという想いが強くあり困惑した時期もあった。銀行員として働く父は、とにかくしっかりとした人だったので、少し弱弱しくなった姿を見ると、こういうことは、どこの家族にも起こりうることなのだと、改めて実感した。
ただ、幸いなことに症状は軽度だったので、そこまで深刻に考えていなかったのだが、今年の初めに、行方不明になったことがあった(後は、初めに記した通りなので割愛)。
こんなことを2度ほど経験すると、改めて、警察に頼り切るのは難しいと実感し、GPSの導入を真剣に考えるようになった。みまもりGPSの使用は、使い方を間違えると、プライバシー問題にもなるので、いくら家族とはいえ気をつける必要がある。とはいえ、目の離せない子供や、高齢者の見守りには、必要不可欠なのかもしれない。四六時中監視することは現実的に不可能なので、GPSトラッカーをうまく利用しながら、見守りをできるのは、とても安心できる。
大切な家族を最良の方法で見守ることができたら、みまもる家族にとっても、ほんの少し心配事から解放されるのではないだろうか。何かいい方法が無いものか、探している人には、是非ともオススメしたい。
いかがだったでしょうか、今回のレビュー記事。自分の身の回りに起きてみないと、なかなか真剣に考えることができない見守りは、誰にでも起こり得ることです。日々の生活で、不安を感じることがあれば、一歩踏み込んで考える必要があるのかもしれません。もし、それでいろいろなことが未然に防げるのであれば、心労も少しは減るでしょう。
それでは、次回のレビュー記事をお楽しみに!次は何を使ってみようかなぁ~