【レビュー】nwmが新たに発売したオープンタイプのイヤホンを使ってみた!初めての感覚っ、フワっとした着け心地がクセになる

今回レビューしたのは、NTTソノリティから、2024年11月に発売されたワイヤレスモデルのオープンイヤー型イヤホン「nwm DOTS」、長期間使用してみたので、その使用感、試聴感想などをお伝えできればと思います。昨年あたりから耳をふさがないオープンイヤー型イヤホンは、周囲の音が聴こえながら、音楽も楽しめるとあって、街中でもよく見かけるようになりました。最近のモデルは、サウンドクオリティだけでなく、音漏れなどにも配慮したモデルが登場するなど、技術の進化には、目を見張るものがあります。今回使ってみたのは、そんなオープンイヤー型イヤホンの中でも音漏れを最小限に抑えつつ、通話時には話者の声にフォーカスして、クリアに相手に届けることができる技術を搭載したモデルです。実際、3ヶ月ほど使ってみてたので、使用感も含めてお伝えできればと思います。それでは、本編をどうぞ!

目次

NTTソノリティについて

NTTソノリティは、最先端の音響信号処理技術を用いて音響関連事業を行う企業として2021年に設立されたNTTグループの一つ。独自の「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術」をはじめ、必要な音だけクリアに取り出す「Magic Focus Voice(マジックフォーカスボイス)」を組み合わせた製品を世に送り出すなど、ビジネスやプライベートなどのさまざまなシーンにおいて、快適な音響空間を実現する製品やサービスを提供している。没入ではなく「共存(Co-being)」をコンセプトにした音響ブランド「nwm(ヌーム)」を立ち上げ、展開をしている。

「nwm(ヌーム)」ブランドについて

「nwm」は、独自技術のPSZをコアにしたコンシューマー向け音響ブランドで、没入感ではなく、みんなとつながる気持ちよさを追求するために作られたブランドだ。PSZ技術を搭載したイヤホンは、耳を塞がない、そして音漏れも気にならない、まるでスピーカーが耳元にあるかのような新しいタイプのイヤホンとして、耳スピーカー、いわゆる「耳スピ」シリーズを展開している。大好きな音や、大切な音ともつながることができる「耳スピ」シリーズには、完全ワイヤレスモデルとネックバンド型、有線モデルをラインアップしている。

今回、使ってみた「nwm DOTS」とは

「nwm DOTS」は、このサイトのレビュー記事でも取り上げた「nwm MBE001」の後継モデルになる。音漏れを抑える「PSZ技術」を搭載しつつ、オンラインやスマートフォンでマイクとして使用する場合は、周囲の雑音を排除して自分の声をクリアにする「Magic Focus Voice」も組み込むという、NTTソノリティの独自技術がしっかりと搭載されたモデルとなっている。これにより、音楽を楽しむだけでなく、通話なども快適にできるマルチに使えるモデルとなっている。

搭載するドライバーは、新設計となる12mm径のドライバーを搭載しており、従来モデルと同サイズでありながら、「nwm DOTS」に合わせたチューニングが施されている。その内容は、出力音圧レベルが87dB、最大入力は40mW、再生周波数帯域は、80Hz~20kHzとなっている。従来モデル「nwm MBE001」の出力音圧レベルが84dBということで3dB、音圧が上がっている。ちなみに、最大入力は、40mWと同じだが、再生周波数帯域は、100Hz~20kHzなので、20Hzほどカバー帯域が広がっている。

専用アプリ「nwm Connect」に接続すれば、デフォルトで用意されたサウンド設定が選べるほか、パラメトリックイコライザ(特定の周波数帯域を調整できるもの)も用意されているので、好みに合った音質に調整して楽しむこともできる。

Bluetoothのバージョンは5.3に対応しており、対応コーデックは、SBC、AAC、LC3、CVSD、mSBCに対応。そのほか、マルチポイントにも対応している。

簡単ではあるが、製品の説明を一通りしたところで、次の章からは、サウンド面、使い勝手などをお伝えしたいと思う。

期待を裏切らない安定の音質に、思わず納得!

さて、ここからは実際に使用してみてどうだったのかをお伝えしていこうと思う。年間を通して、なん台ものイヤホンやヘッドホンを試してきており、そのたびに、それぞれの製品の特徴を体感するのだが、全ての製品がいい製品であるとは限らない。値段が高ければ、いい音楽しめるかというとそうでもないし、逆に安い価格帯だからといって、音がわるいかというと一概にそうとは言い切れない。このサイトでは、比較的良質なサウンドを楽しむことができるモデルを紹介しており、今回試した「nwm DOTS」もそのうちの一つになる。

セット内容

これまで、nwmブランドの製品をいくつも試聴してきたが、音質においては、どのモデルも期待を裏切らない、というのが正直な感想だ。どのジャンルの楽曲を聴いても、派手さはないもののバランスがいいのが特徴といえる。オープンイヤータイプということをよく理解した音作りをしていると感じる。今回の「nwm DOTS」も、音を聴いた瞬間に、"あっ、大丈夫だ"という感触を得ることができた。「PSZ」技術であったり、「Magic Focus Voice」技術を搭載しているからとかではなく、音楽を楽しむためのガジェットッとしてどんな音を発してくれるのか、その点において裏切られることなく、さすが"nwm"というブランドを冠しているだけあって安定していた。それは、耳に装着して音を出した瞬間に感じ取ることができた。

大前提として、カナル型やインイヤータイプのイヤホンのようなイマーシブ感をオープンタイプに求めているわけではないことをお伝えしておく。

試聴したのは、ハードロック、クラシック、Amazon オーディブル(朗読)

いつもヘッドホンやイヤホンを試聴する際は、決まってハードロック、クラシック、Amazon オーディブル(朗読)、を試聴している。まずは、ハードロックだが、試聴用に用意したのは、メタリカの「Master of Puppets」、メタリカのなかでも代表的な曲として知られている。出だしのギター、ベース、ドラムが、"ズジャンっ!ジャン、ジャン、ジャン"という出だしが、迫力があるのだが、低域と中域の量感が絶妙で、低域をしっかり響かせつつ、かといって低域が出しゃばることなく、中域とのバランスがとてもいい感じだ。低域を強調しすぎると迫力は倍増するが、バランスが崩れてしまう可能性が出てくるが、低域を少し抑えることでそういう破綻を起こさないように調整している感がうかがえた。ちなみに音量は、25段階中15段にセットして試聴したのだが、オープンタイプということもあり、さほど大音量という感じはしない。むしろちょうどいい感じだ。にもかかわらず、パソコンのタイプする"パチパチ"という音はしっかりと聞こえる。もちろん、家族の呼び出しの声もしっかりと聞こえる。

次に試したには、クラシックだ。試聴用に用意したのは、小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラ・ブラームス交響曲第1番ハ短調作品68第一楽章(ニューヨークのカーネギーホールのコンサートを収録したもの)。あの出だしのティンパニーの"ヴァンヴァンヴァン"と"バイオリンの悲痛な音色が、いかにも短調の曲らしく、真に迫るような緊張感が魅力の楽曲を、低域・中域・高域に渡ってバランスの取れた素晴らしいサウンドを奏でてくれる。音源がいいのだから、当たり前と言ってしまえばそうなのだが、バランスが崩れると、途端に、その素晴らしい音源でもチープさが出てしまう。イヤホンにとっては、厳しい楽曲かもしれないが、破綻なしに聴くことができた。いつ聞いてもこのブラームスの交響曲第意1番は、鳥肌ものでゾクゾクっと体に電気が走るような感じがたまらない。オープンタイプだというのに、恐れ入ったといったという印象だ。低域・中域・高域の各パートも誇張していておらず、しっかりと仕事をこなしているといった感じが、たまらない。控えめな音ととらえる人も居るかもしれないが、この奥ゆかしさが日本人的で、何とも心躍る感じで聴くことができた。もちろん、録音環境に左右されるところもあるが、それでも、イヤホン自体がその音をしっかりと鳴らせないと何の意味もないのだ。結果的に、何度も何度も繰り返し聴きたくなるほど、よかった。夜中に、耳鳴りがするほど静まりかえった中で音量を上げて聴くと、オープンイヤータイプであることを忘れてイマーシブな体験ができるほどだった。それでいて、耳が疲れないのが素晴らしい。

次に試したのは、"Amazon オーディブルだ。昨年あたりより、オーディブルで小説を聞くという行為を行っている。実は、その昔、NHKの「青春アドベンチャー」という番組をラジオで聞いて以来、ラジオドラマがとても好きになった。その代わりというか、小説を読むのではなく、聞くに変えてから、時折、オーデイブルを利用している。音楽はちゃんとに聴けるのに、人の声になると、途端に質が悪くなるイヤホンは、これまで数多く使ってきた。しかし、本製品は、そのような破綻は一切おこらなかった。日の声も、クリアに、ハッキリと聴き取ることができた。

実は、以前から試してみたいと思っていたことがあり、今回はそれをあえて試してみることにしたのだが、試した内容というのは、このオープンイヤータイプを使用して、映画を見るということだった。過去に、オーバーイヤーヘッドホンで試したことはあるのだが、耳を完全に覆ってしまうのと、ヘッドホンの重さで、どうにも映画に集中することができなかったことを記憶している。あまりいい印象ではなかったので、それ以降、イヤホンを使って、映画を観ることを避けていた。しかしオープンイヤータイプは、耳を塞がない、つまり周りの環境音もしっかりと聴き取ることができるので、ちょっとした映画館に居るようなそんな印象で見ることができそうなイメージがあったこともあり、試すことにしたのだ。結論から申し上げると、その思いは当たっていた。耳を塞がない、そして、とても軽い本体が、ヘッドホンを使用して映画を観たという過去の悪い印象を払拭してくれている、そんな印象を受けながら映画を観ることができた。

これは、かなり好印象で、集合住宅において、大音量で映画を楽しめなくても、イヤホン、それもオープンタイプであれば、映画館のような臨場感を手軽に楽しめる、そんな印象を受けることができた。耳を塞がない恩恵が、こんなところにあろうとは、正直思っていも居なかったので、とても得した気分になった。

装着感について

実は、今回試している「nwm DOTS」は、装着感において賛否両論があるようだ。耳掛けタイプではあるのだが、実際の装着感は極力薄くしているような感じがする。説明がとても難しいのだが、実際に装着すると、ふんわりとした感覚で、装着してから1分もしないうちに、まるで装着していなかのような感じになる。初めて装着したときは、あまりに装着した際の印象が薄かったので、外れてしまいそうな感覚があったのだが、これが不思議と、慣れてきてしまうと違和感がなくなってくるではないか。イヤホンの片側の重さが約8gと、超が付くほど軽量なので、それはつけてる感が薄くなるのも仕方がないこおとなのかもしれない。それゆえ、なんだかた取れてしまいそうだとか、装着感がイマイチ、などという声になったのだろうと思われる。最初の印象だけで判断するのは、いかがなものかとも思うが、まぁ、そこは、あくまでも個人の受けた印象ということで、さほど気に留める必要はないのだろう。従来モデルと比べて、連続再生時間が2時間も伸びており、ケース充電も行えるようになったことで、最大32時間も使えることを考えると、装着していないような感覚にでもしないと、耳が疲れてしまう、それを避けるために敢えてあのふんわりとした装着感となったのかもしれない。

テールチップは、S・M・Lが用意されている
自身の耳に合わせてテールチップを交換する
これまでにない形状がなんとも可愛らしい
従来モデルと違い、ケースで充電が行えるので
長時間使えるようになっている

操作性については、ちょと工夫が必要か?

装着感については、慣れてしまえばかえってこの装着感がとても良く感じるのだが、一方で、操作性については、ちょっとなれるまでに時間を要した。というのも、次の曲に移行したい時は、左右どちらのイヤホンでも構わないのだが、2回連続でタッチをする必要がある。一方、戻る場合は、3回タッチする必要があるのだが、この3回が曲者で、時折音量が変わってしまったりなど、誤操作に繋がることが稀にあった。実は、これ"DOTS"の形状に原因があるのかもしれない。タッチをする際に、人差し指で行うと誤操作になりやすかった。操作にも慣れてくると、人差し指と中指で本体挟み込みながら、親指でタッチすると、安定した操作が可能になることを突き止めると、操作に対してイライラすることもなくなった。今では、人差し指と中指で挟み込み、親指でタッチするという操作方法で落ち着いている。

人差し指で操作をすると、誤操作が多かった
人差し指と中指で操作部分を抑えながら親指で操作すると改善された

まとめ

今回、NTTソノリティから発売された「nwm DOTS」をしばらく使ってみての使用感をお伝えいたしましたが、実に心地よい音を奏でてくれるモデルであることを実感しました。装着感や操作性においては、当初眉間にしわを寄せながら使っておりましたが、しばらく使い続けていると、いろいろと考えられて作られていることに気が付かされました。ふわっとした装着感は、長時間でも耳が疲れないようにするためであったり、操作性においても慣れてくると、なぜあの形状になって、この操作方法になったのかが、なんとなくわかってきました。いろいろな使い方をしてもよい一方で、こんな使い方が、実は開発者の意図なのかもしれな、という別の視点で見ると、なんだか、開発者の考え方に一歩近づけたようで、音を聴くだけのガジェットではなく、とても面白い体験ができ、得した気分になりました。

前述したように、これまでいくつもの"nwm"ブランドの製品を試してきてみましたが、さまざまな最先端の技術が盛り込まれており、その恩恵にあずかることでこれまでにない体験ができたことは、とても素晴らしいことであると感じています。また、開発陣の意図に少しでも近づくことができると、より製品の良さに触れることができているようで、いつもより楽しく試聴することができました。いやぁ、新しいモノ、技術に触れるというのは楽しいですね~。

それでは、今回のレビュー記事を終わりにしたいと思います。次回もお楽しみに!

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