〈レビュー〉まるで脚付き家具のようなトースターを使ってみたら 独自のスライドラックが便利すぎた!
ウィナーズについて
ウィナーズは、1992年にデザイン制作会社としてスタートした企業で、各種ツールのデザイン制作を行っている。2009年にオリジナルの調理家電ブランド「レコルト」を立ち上げ、家電製品第1号となるモデル、2カップコーヒーメーカー「Kaffe Duo(カフェデュオ)」を発売している。
レコルトブランドについて
2009年に誕生したレコルトは、"今どきの暮らしにちょうどいい"を大切に、日本のキッチンに置きやすいサイズの製品とインテリアにマッチするカラー展開を行っている。無駄を削いだ機能と価格でキッチン家電を提案し続けているブランドだ。コーヒーメーカーをはじめ、ホットプレート、フードプロセッサー、ホームベーカリー、ホットサンドメーカーなどをラインアップしている。また、キッチン家電のほかにも、コードレススティッククリーナーやUVハイブリッド式加湿器などホーム家電の"レコルトホームブランド"も展開している。どの製品も、デザイン制作会社らしい機能性に優れながらも使用する人の気持ちが豊かになるような、そんな製品を多くラインアップしている。
今回レビューする「スライドラック トースター」とは
今回レビューする「スライドラック トースター」は、レコルト独自の"スライドラック"機構を搭載したトースターで、トースターとしては格段に使い勝手を向上させているモデルだ。ラックの両側に取り付けられた持ち手部分がトースターの庫外に設けられていることにより、過熱直後で庫内が熱い状態でも持ち手部分が熱くならないため、庫内の食材を簡単に取り出すことができるという特徴を持つ。
家具との調和を考え抜いた結果、思わずリビングにも置きたくなるようなそのデザインは、キッチンに置くことに縛られることなく、ライフタイルに合わせて置きたい場所に自由に置けるデザインになっているのも特徴と言える。また、着脱可能な脚を取り付ければ、トースターの下に空間ができるため、ブレッドケースを置くことができるなど、スペースの有効活用ができる。
庫内の上下には、2本ずつ、合計4本の遠赤外線ヒーターが設置されており、庫内に施されたディンプル加工によって、熱を反射拡散、熱を効率よく循環させることができるようになっている。また、マイコン制御による6つのモードは、ボタンひとつで理想的な焼き上がりを可能にしている。
簡単ではありますが、以上が、製品の概要になります。次の章からは、早速本製品を使って、食パンをトーストしてみたいと思います!
早速使用してみる
まずは、ダイニングテーブルに置いてみる
まずは、使用するにあたり本体を箱から出してみることに。大きさの割には、それほど重さを感じることはない。大きさは、横幅ではなく奥行きがある。それもそのはず、このモデルは、食パンを縦に一枚ずづ並べてトーストするので、幅自体は、一般的なトーストの半分ほどのサイズながら、奥行が一般的なトースターの2倍近くある。
付属品をもろもろ取り出し、設置するための準備として、脚の取り付けを行ってみた。ネジとドライバーが付属しているので、工具を持ち合わせていない人にとっては、とても親切だと感じる。ただし、ネジの精度がそこまでよくないので、ネジを閉める際には、ネジ山を舐めないように気を付けた方がよさそうだ。取り付ける脚は、それぞれの場所にぴったり取り付けられるように設計されているので、この手の作業が苦手た人でも間違えて取り付ける心配がないのはうれしい。
取り付けが完了したので、実際にダイニングテーブルに設置してみたが、脚をつけた状態にすると、その分高さが出るので意外と大きさを感じる。以前、発表会場で見た時は、会場が広かったこともあり、製品自体の大きさをあまり感じることはなかったが、いざ自宅で展開してみると、多少なりとも圧迫感があるのは否めない。ただそれは、脚を取り付けたぶん、縦に伸びただけなので、実は、あまり場所を取っていないことに後になって気が付いた。恐らく置き方によって、印象が変わるのかもしれない。何はともあれ、設置が完了したので、次は、いよいよ食パンをトーストしてみることに!
実際に食パンをトーストしてみた!
トースターでトーストするのだから、パンが焼けるのは当たり前なのだが、この製品の特徴は、なんといってもスライドラックの搭載で、熱い状態のラックをオーブン用のトレイハンドルを使用することなくスライドして庫内から外に出すことができてしまうのだ。ラックの持ち手部分が庫外にくるように設計されていることから実現した機能だ。
トーストしてみたのは、いつも食べている6枚切りの食パンだ。我が家では、週末になると食パンをトーストして食べるのだが、食パンには、ツナ缶ととろけるチーズをのせて、マヨネーズをまんべんなくかけ、好みでケチャップを付け足したらトーストをする。いつも通り準備が完了したので、早速トースターにセットし、スタートさせてみた。
スタートは、いたって簡単で、本体に設置された6つのモードから「Toast」のボタンを押してスタートボタン押すだけのシンプルな操作で行える。スタートボタンには、タイマー機能も搭載されているので、焼き時間を調整したい場合は、任意で設定を行うことも可能だ。通常は、6つのそれぞれのモードに時間設定が自動で行われる仕様になっているため、何も考えることなく、モードをセレクトしてスタートボタンを押すだけで加熱が開始される。
「Toast」モードの場合、デフォルトでセットされている温めの時間が2分半なので、あっという間にトーストが完了する。2分半でもしっかり加熱されておいしく焼き上がるのだが、もう少しカリッとした食感を楽しみたいので、30秒加熱時間を延長させてみた。ちなみに加熱時間は、0~5分の間では30秒きざみで時間を前後させることが可能で、5~15分の間では、1分きざみで加熱時間を前後させることができるなど、好みの加熱時間をいろいろ試してみるのも面白いかもしれない。きっと好みの時間が見つかるはずだ。
また、「Toast」モードをセレクトしても、例えば、チーズトーストの場合は、3分に設定したり、ピザトーストの場合は、3分から6分で設定するなど、「Toast」モードでも食パンにのせる食材によって、設定時間は変わるようだ。なお、メモリー機能を使えば、いつも決まった食パンの加熱でも、デフォルト状態から変更して設定することも可能だ。例えば、「Toast」モードは、通常の設定時間が2分半のところ、仮に好みの焼き上がり加熱時間が3分だったとする。この3分という時間を通常時間に設定することができてしまうのだ。再設定を行いたい場合は、「Toast」モードのもボタンを長押しをして、ブザー音が鳴りはじめたら、「Toast」ボタン上部が点滅し始める。点滅を確認したらタイマーボタンを設定したい時間に合わせて再びタイマーボタンを押せば、設定が完了する。使う頻度が高いモードは、設定時間を変更しておくと、より便利に使えると思われる。
あっという間にトーストができあがる、そしてスライドラック発動!
トーストにかかる時間は、わずか2分半、今回は、チーズとツナをのせたので、1分延長させ3分半でセットしてみた。でき上がりのトーストをのせるお皿の準備をしている間に3分半が経ち、あっという間に焼き上ってしまった。食パンの香ばしい香りがしてきたと思ったら、"チーン"という終了を知らせる音が鳴った。早速、庫内のパンの焼き具合を確認してみると、3分半という短時間にもかかわらず、食パンにはしっかりと焼き目がついており、ツナとマヨネーズにもほんのり焼き色が付いていた。
ここで、この製品の真骨頂ともいえるスライドラックの登場だ。持ちて部分が庫外に設置されているので、熱さとは無縁の状態でラックを庫外に取り出すことができる。これは、実際に使ってみ思ったのだが、まぁ、便利なことこの上ない。何気なくできてしまっていることだが、アツアツのトレイを取り出すのに、ラックが熱いからとか、庫内に触れないようにしながらなど、何かを気にしながら取り出すといったことがないのだ。それが、自然にできてしまうところに関心してしまった。
何度か使用するうちに裏技とまではいかないが、便利な使い方を発見してしまった。ある時、スライドラックを引き出す際、扉内側の上部にラバーが設置されていることに気が付いたのだが、このラバー自体、扉を閉める際に密閉度を高めるために設置されているものだろう。ひょんなことからこのラバーがとても便利に使えることに気が付いてしまったのだ。
スライドラックを引き出して、パンをお皿に移す際、どうしてもラックを片方の手で持ち、もう片方の手でパンを掴み上げお皿に移さなければならない。でき立てホヤホヤのパンは当たり前だがアツアツの状態になっているので、パンを掴んでお皿に乗せようとすると、かなり熱いパンを持ち上げることになる。そのためうまくお皿に移すことができないケースがあるのだが、そんな時に、試しに使ってみたのがこのラバーだったのだ。使い方はとても簡単で、スライドラックをラバーにめがけてスライドさせるだけでよくて、イメージした通りにピタッとラックを止めることができたのだ。
実は、このスライドラック、取り出しはとてもラクに行えるのだが、取り出したラックの置き場所に、当初困っていた。面倒くさがりな私は、どうにかして、スライドラックを完全に引き出さないでパンを取り出すことができないものかと画策していたのだが、たまたまこのラバーが目に入り、ストッパーのように使えないかと考えたのがきっかけだった。試しにやってみたところスライドラックをしっかり受け止めてくれたので、それ以降は、この方法でトーストした食パンを取り出している。ただ、この方法だと、例えばグラタン皿を同じ方法で行おうとすると、ラックが斜めになってしまうことから、滑り落ちてきてしまうので、かなり危険であることから、食パン以外での使用はおススメしない。もし行う際は、自己責任のもとでやってほしい。
実際に出来上がったトーストをひとかじりすると、えっ!と思わず声が出てしまった。それもそのはず、パンの外側はカリッとしているのに、中はフワっとしたままだったのだからだ。外側はカリッと仕上がるのは当たり前だが、中がふわっとした食感を残すことは難しいように思う。しかし、この製品は、簡単にやってのけてしまうあたりがすばらしい。カリッとした食感の後にフワっとした食感も楽しめるとあって、大満足の仕上がりだった。
トーストの出来上がりが"フワッ"としている理由
サクッ、フワッを楽しめるこの製品、秘訣は、温度制御をマイコンで行っていることにある。庫内に設置された温度センサーで庫内温度を計測し、マイコンで温度制御を行っている。もちろん、マイコンによる温度コントロールだけでなく、遠赤外線ヒーターを上下に2本ずつ合計4本使用しており、ディンプル加工が施された天面・底面・前面・奥面によって、熱効率を向上させている。温度管理と熱効率の良さが、短時間で表面をこんがり焼き上げながらも中をフワっと仕上げることを実現させているのだ。
トーストができ上がるまで、庫内をじっくり観察していると、時折、オレンジ色に煌々と熱を放っていた庫内のヒーターが、少しその熱が弱まっているような印象を受けるほど暗くなる場面があった。恐らく、マイコン制御による温度コントロールをしているものだと思われるのだが、温度を上げたり下げたりしているためなのだろう。なるほど!これが、サクッ、フワッ、を作り出す秘訣なのかと、毎回トーストするたびに小窓から庫内を眺めている。
モードは、全部で6つ搭載
搭載するモードは、「Toast」以外に5つ用意されており、合計で6つのモードを搭載している。パンの表面を高音でカリッと焼き上げる「Toast」、クロワッサンや総菜パンなど、表面を焦がさず中までしっかり温めてくれる「Deli」、冷凍したパンの表面にもしっかり焼き色をつけ、中もじっくり温めてサクッ、フワっ食感が楽しめる「冷凍Toast」、冷凍の総菜パンでも、具材を含めて出来立てのように焼き上げる「冷凍Rebake」のほか、クッキーやマフィンが作れる「180℃」に、余熱無しで冷凍ピザやグラタン、餅まで焼ける「220℃」となっている。
ちなみに、「冷凍Toast」モードを使って、試しに冷凍したドーナッツを加熱してみたが、わずか4分半ほどで外側は、ほんの少しサクッとさせつつ、中はフワっとした食感に仕上げることができた。冷凍からなので、もう少し時間がかかると思いきや、予想に反して早くできあがったので、冷凍ものもかなり便利に使えそうだ。なお、メモリー機能を使えば、各モードで設定時間を変更できるので、よく使うモードなどは、好みの焼き具合に合わせて設定時間を変更させておくといいかもしれない。
気になる「220℃」モードを使えば、グラタンもわずか10~15分ででき上がるとのことなので、下準備をしたら、このトースターで加熱した方が、オーブンレンジで加熱するよりも早くでき上がりそうだ。(機会があったら比べてみたいと思う。)
パンくずなどの掃除は簡単に行える!
一般的なトースターは、幅が広く奥行きが狭い、そして開く扉は、前面だけという形状のものが多い中、本製品は、幅が狭く奥行きが広い、そして、前面の扉以外に、背面も開く仕様になっている。前面だけでなく、背面も開くことで、庫内のお手入れが格段にしやすくなる。パンくずトレーも、本体底面に配置されており、庫内の外から簡単に取り外しができるため、パンくずの掃除が簡単に行えるのもありがたい。
別売のブレッドケース
別売にはなるが、専用のブレッドケースも発売されており、トースターに脚を取り付けた際、本体の下にスペースができる。このスペースにブレッドケースを置けば、余った食パンをケースに入れて保存しておくこともできる。このブレッドケース、実は、蓋の部分をひっくり返すとスリッドが入っているので、カッティングボードとしても使える。価格は、3300円ながら、トースターの下の空きスペースを有効活用できるので、個人的には、あると便利だと感じている。我が家では、食べきれなかった食パンをこのケースにしまい、翌日の朝に取り出してトーストしている。ちなみに、ブレッドケースの蓋は、天然木を使用しているので、とても高級感があり、作りもしっかりしているので、3300円は、お得な印象を受ける。
実際に使ってみて
今回、しばらくの間使ってみた感想としては、とにかく使いやすい、この一言に尽きる。トーストにかかる時間も短時間で済むうえ、トーストされたアツアツのパンの取り出しは、スライドラックのおかげでとてもラクに行える。そして、でき上がったトーストは、外側はカリッとした食感を楽しむことができ、中は、フワっとした仕上がりを可能にしている。
まとめ
今回、久しぶりに新しいトースターを使ってみたのだが、マイコンの搭載により、焼き方にも工夫が施されていることを目の当たりにすると、改めて進化しているのだということを実感した。これまで使用してきたトースターでも十分使えるし、なんなら、今でも、用途別で使用し続けている。しかし、その内容は、10年以上経過しているとあって、新型のトースターと比べてしまうと、さすがに機能面では古さを感じてしまった。
トースター自体、構造上複雑な作りをしているわけではないので、故障することが少ない家電製品のうちの一つだが、例に漏れず、我が家のトースターも、14年近く使用しているにもかかわらず、どこにも不具合が生じることなく、稼動し続けている。しかし、新型モデルを使用してみると、トーストの仕上がり具合や、出来上がりまでの時間、そして使い勝手の良さ、さらにはデザイン面に至るまで、全てにおいて上回っていた。10年以上買い替えることがなかったトースターも、ここまで進化していることを体感してしまうと、やはり新型モデルに買い替える価値は十分にあると実感している。
新モデルがいいからと言って、何でもかんでも購入すことはできないものの、ちょっとしたキッチン家電なら、金額も大きくないので、購入してみるのもアリだと思う。奥さんが料理をする家庭なら、きっと喜んでくれるような気がする、少なくとも、我が家では喜んでもらえている。決して後ろめたい気持ちがあって購入しているわけではないことだけ付け加えておこう。
本編を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。それでは、次回のレビュー記事をお楽しみに~。