[リコーイメージング]今こそフィルムカメラを手にしよう!フィルムならではの写りとカメラ操作が楽しめる単焦点フィルムコンパクトカメラ登場

リコーイメージングは、フィルムカメラの新モデルとして「PENTAX 17」を7月12日発売する。本製品は、昔からフィルムを楽しんできた全世界のフィルムカメラファンや、これからフィルムを始めてみたいという若い世代に向けた製品で、写真撮影の原点とも言えるフィルムカメラでの撮影を存分に楽しめるモデルに仕上げられている。

デジタルカメラが主流のなか、同社がPENTAXブランドでフィルムカメラを開発検討をおこなう「フィルムカメラプロジェクト」としてスタートした企画から誕生したモデル。リコーイメージング/PENTAXがこれまでのフィルムカメラ開発で培ってきたノウハウを生かし、同社のベテラン技術者と若い世代の技術者が一丸となって技術を継承しながら開発したモデルになる。あえて全自動に式にするのではなく、人が操作する余地を残すことで、撮影者の個性や創造性が発揮できるようなモデルとして開発されている。

本体のデザインは、フィルムカメラらしいクラシカルなものとし、上下のカバーには、軽量で堅牢なマグネシウム合金を採用、ボディ全体の剛性を高めている。レンズ前面には、フィルター径40.5mmの市販フィルターの装着を可能にするなど、細部にまでこだわった仕様になっている。

操作方法は、今のデジタルカメラにはない、フィルムカメラならではの方法で行う。フィルムカメラの場合は、フィルムを本体に装填させたら、手動の巻き上げレバーで1コマずつ巻き上げてシャッター切る、この一連の操作で、撮影を行う。この巻き上げ機構には、PENTAXのフィルム一眼レフの巻き上げ機構を継承した設計で作られており、巻き上げ時の滑らかな感触や巻き上げ時の音を楽しむことができる。

フィルムカメラを使うのが初めてという人には、一見すると難しそうなフィルム装填も、イージーローディング方式を採用することで、安心してフィルムを装填てきるようにしている。また、クランクによるフィルム巻き戻しや、ダイヤル操作による露出補正、ISO感度の設定など、各所にフィルムカメラを使う上での楽しさが感じられる機構が満載となっている。

https://youtu.be/4yg-ulCWNAg(フィルムの入れ方)
https://youtu.be/V6FhS7hRXgk(フィルムの取り出し方)

本製品に搭載するレンズは、本製品用として新たに開発した焦点距離25mm(35mm換算で約37mm相当)の単焦点レンズを搭載。一眼レフレンズで定評のあるHDコーディングも採用しており、クリアでシャープな描写を実現している。撮影できるフォーマットサイズは、35ミリフィルム(36×24mm)1コマの約半分(17×24mm)を使用するハーフサイズフィーマットを採用。本製品の構造上、フィルムを横方向に送る仕組みになっているので、カメラをそのまま構えると縦長の写真が撮れるなど、スマートフォンと同じ感覚で撮影することができるようにしている。

背面
光学ファインダーはアルバダ式ブライトフレームファインダーを採用

ピント合わせには、手動でアイコンを選択するゾーンフォーカス式を採用。近距離から遠距離までに設けられた6つのゾーンがゾーンフォーカスリングにアイコンで表示されるため、撮影したい被写体に応じたアイコンを選択することが撮影が行える。この一手間を楽しみながら撮影ができるのもフィルムカメラならではの所作と言える。マクロ撮影時には、約0.25mまで被写体に近づいての接写撮影が可能で、同梱するストラップを使えば、より正確な撮影距離を測ることができる。

搭載する撮影モードは7種類。カメラまかせで撮影できる「AUTO」をはじめ、夕暮れ時などの撮影に適した「低速シャッター」や、夜景や花火などの撮影に適した「バルブ」モードなど、多彩な撮影モードを備える。露出制御は、搭載する測光センサーにより、自動で行う。また、独立した露出補正ダイヤルを備えているので、被写体や撮影意図に合わせて素早く露出補正することができる。

https://youtu.be/wdkcWIPiqmo

本体サイズは、(約)幅127mm、高さ78mm、厚さ52mm、重さは、290g(フィルムと電池を除く)。使用電池は、3Vリチウム電池(CR2)1個、充電式電池は使用不可。使用フィルムは、35mmフィルム(ISO感度50~3200のフィルムに対応)。レンズは、HD PENTAXレンズ、焦点距離は25mm(35mm換算値37mm相当)。開放F値は、F3.5。シャッター方式は、プログラムAE電子シャッター、シャッタースピードは、1/350秒~4秒。フラッシュは、内蔵フラッシュでガイドナンバー約6、25mmレンズの画角をカバー、発光方式は撮影モード連動式となっている。

ここ最近のスマートフォンのカメラ機能は、高性能すぎる印象を受ける。光学式レンズを搭載し、意のままに、それも簡単に希望の画を撮ることができてしまう。本格的なカメラが必要ないのでないかと思うほどのクオリティに、舌を巻く。しかし、そんな中、あえてフィルムカメラを発売するのは、なぜなのだろうか、とふと思う。それは、人が、ない物ねだりをする生き物だからなのかもしれない。便利になればなるほど、不便なものに興味を惹かれる。フィルムカメラは、フィルムを装填したり、1コマずつフィルムを巻き上げてシャッター切るなど、フィルムカメラならではの操作が必要になってくる。これを不便と思うのか、それとも操作を楽しと思えるのか、何でもおまかせでやってくれる時代になってしまったからこそ、自分で操作する楽しさを味わえる製品が必要なのかもしれない、と思ったりもする。

●発売日:7月12日                                              ●価格(税込):11万7700円                                          ●リコーイメージング公式サイト:PENTAX 17

※製品の価格及び仕様については、記事制作時のもので、その後諸事情により変更される場合があります。

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