[EPOS]これぞブックシェルフ・スピーカー!トーンバランスを変化させるスイッチの搭載で、本棚に設置してもいい音で楽しめる

タクトシュトックは、同社で取り扱っているイギリスのオーディオブランドのEPOS(エポス)の新モデルとして、ブックシェルフ・スピーカー「EPOS ES-7N」の販売を5月15日より開始する。本製品は、ALR/JORDAN社製のスピーカーでロングセラーとなった”Entry S”やClassic 2”などに変わる現代の技術を搭載したブックシェルフ・スピーカーで、進化した現代の技術を楽しめる、そんな仕様のスピーカーだ。

カラーは、左からブラック、ウォールナット、ホワイト

本体の背面には、トーンバランスを切り替えることができるクロスオーバー・スイッチを搭載しており、上下に切り替えられるスイッチを上にすると、壁から30~50cmほどの距離をとって設置することができ、スイッチを下にすると、壁際に設置する場合や本棚の中に置いて使用するのに最適状態になる。両方のポジションを試すことで、どの場所に設置しても、最適な場所を見つけることができるなど、さまざまな部屋で最良のバランスでサウンドを鳴らすことができるとい特徴を持つ。

トーンバランスを変化させるためのクロスオーバー・スイッチ

キャビネットには、2×8mmのMDFパネルを使用しており、その間には、特殊なダンピング層を挟むことでボックスの共振を制御。また、キャビネット内側の上部には木製のブロックを追加することで、左右の音の広がりを最適化している。さらに、新開発となるバスレスポートをフロントに搭載。その形状は、中央に向かって曲がる特殊な形状になっており、減衰のための通気孔を備えることで、中低域をしっかりと制御している。

ES-7Nのエンクロージャー
中央に向かって曲がる特殊な形状のバスレフポート

本製品のレイアウトは、左右非対称としており、最適なサウンドを鳴らすために、ツィーターを内側に設置。また、底面に4mm径のインサート口を設けており、接地面と本体を隔てるためのものとして、シリコンゴムで作られた専用のスパイク(付属)を差し込めるようになっているなど、より良いサウンドを鳴らすための工夫が施されている。

入力された信号を低域、高域などに分けるクロスオーバーは、トーンバランスを2つのバージョンからセレクトできるスイッチを搭載することで対応。フィルターには、PP(ポリプロピレン)コンデンサー、ポリエステル・コンデンサー、低損失電解コンデンサーが使用されているが、そのほとんどが空芯で、重要な抵抗は全て無誘導の特注部品をセレクトして使用するなど、徹底している。

レスポンス・カーブは、壁から離して使用する場合と、壁際で使用する場合のどちらでも最適な状態で再生されるよう調整されており、ボトムエンドのロールオフは、低周波数における部屋や壁の増幅に対応、低音が強調されるのを避けるためにフラットになっている。スピーカーの能率は、スイッチのポジション・アップ(Semi free)で約86dB、ポジション・ダウン(On wall)で約89dBになる。また、本製品は、4Ω前後の一定のインピーダンスと低位相シフトにより、比較的ラクな負荷にすることで、さまざまなアンプで鳴らすことを可能にしている。

ツィーターは、ES14Nと同様のモノが使用されており、アルミ合金ドームをセラミックでコーティングすることで剛性を高めている。また、ファブリック・サラウンドと特殊形状のコントロールリングの採用により共振ピークは、約30kHzとなり、聴覚の限界である20kHzから大きくシフトさせている。

ES14Nのために設計されたオリジナルをそのまま採用している
130mmのウーハー

Mid/Bassドライバーには、本製品のために新たに設計されたオリジナルの130mmポロプロピレン・ドライバーを搭載。射出成型で作られた特殊形状のドライバーは、10%のマイカを混入させることで剛性を高めることに成功している。30mmのボイスコイルは、TILフォーマー製でインピーダンス・コントロールリングを備えたマグネット・システムによって、ひずみと相互変調を最小限に抑えている。また、ウーハーには、130mmサイズながら、低域再生能力に優れており、小型ゆえに可能とした瞬発力により、心地よい音色を奏でてくれる。

本体サイズは、幅290mm、奥行き270mm、高さ290mm、重さは、7.6㎏/1台。周波数特性は、48Hz~25kHz。平均インピーダンスは、4Ω、最低インピーダンスは、3Ω/15kHz。本体カラーは、ブラック、ホワイト、ウォールナットの3色を用意している。

ブックシェルフ・スピーカーは、その名の通り、本棚や机のうえなどにも置けるコンパクトなスピーカーだ。コンパクトながら、その種類は、幅広く、アンプを内蔵しているタイプのものから、本製品のように、アンプを内蔵していないものまで、価格も、1万円程度から、数百万円もする本格的なものまで存在する。今回紹介した製品は、ペアで41万8000円(’税込)とにわかオーディオ好きからすると、それでも高いと思ってしまう製品だが。2023年に発売したES14N(78万4000円)から比べると、半値とまではいかないが、かなり安めの設定されているあたりにそそられてしまう。おまけに、Fink Teamの作るスピーカーなのだから、奏でる音はきっと素晴らしいと思うのだが、どんな音を奏でてくれるのか、実際にES14Nと聴き比べをしてみたいものだ。

●発売日:5月15日                                              ●価格(税込):41万8000円(ペア)                                      ●タクトシュトック:EPOS公式サイト 

※製品の価格及び仕様については、記事制作時のもので、その後諸事情により変更される場合があります。

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