[レビュー]夏といえば扇風機!スリムなのにパワフルな風を送ってくれるタワー型ファンや音声で操作できる扇風機を使ってみたらっ
シロカについて
シロカは、2000年に創業した日本の小型家電メーカーで、炊飯器、ホームベーカリー、トースター、電気圧力鍋などの調理家電から、クリーナーや扇風機、スポットクーラー、ヒーターなどの生活家電や季節家電を製造販売している企業になる。人感センサー付きのセラミックファンヒーターや扇風機、音声操作が可能な扇風機など、アイデア満載の製品は、ユーザー目線に立って開発された製品が多く、ユーザーからの声を反映させた製品も多数存在する。
今回使用した製品について
今回使用した製品は、タワー型ファンの「大風量タワーファン ビューンタワー SF-T151」と音声操作ができる「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカののポチタマ扇」の2モデル。それぞれ風を送りだしてくれるという意味においては、同じ類の製品になる。大きく違うのは、風を送り出す羽根の形状だ。タワー型ファンは、細い板状のものを何枚も使用した筒状のもの(シロッコファンともいう)を回転させて風を送り出すのに対して、扇風機は、扇状の大きな羽根を3枚以上使用し回転させて風を送り出している。
それぞれの製品の特徴
●大風量タワーファン ビューンタワー SF-T151
タワー型ファン「大風量タワーファン ビューンタワー SF-T151」の最大の特徴は、独自技術の「ふわビューンUZU」が発生させる風を最大20m先まで届けることができるということ。それも、単にパワフルな風を送るのではなく、滑らかな風を静かに送ってくれるというモデルだ。搭載するモーターには、日本ブランドのミネベアミツミ製のDCブラシレスモーターを採用することで、高い静音性を実現している。そしてもう一つの特徴としては、首振り角度が最大330度とほぼ1周してしまうほど広範囲に風を送れるようにしたこと。これにより、リビングの真ん中に置いても使用できるようにしている。またこの首振り角度も、75度、120度、330度の3段階からセレクトできるので、使用する場所によって、角度をセレクトして使用することもできる。
タワー型ファンのデメリットとして挙げられるメンテナンス性にもこだわっており、ファンの取り外しが簡単に行えるようにし、水洗いを可能にしたことで、衛生面においても、安心して使用することができるようになっている。
●DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇
一方、扇風機の「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇」は、2021年に発売を開始した「DC 音声操作サーキュレーター扇風機」を進化させたモデル。最大の特徴は、なんといっても音声操作に対応しているということ。これは、2021年に発売した当初から搭載されている機能ではあるが、今回のモデルでは、21種類の操作に対応しており、より音声で操作できる幅が広がっている。なお、製品名にある"ポチタマ扇"とは、ポチとタマの2つのキャラクターを採用することで、異なった対応を楽しむことができるというもの。"ポチ"は従順な性格のキャラクターで18パターンの返事で対応してくれる。一方"タマ"はちょっぴりやんちゃな性格のキャラクターで20パターンの返事で対応してくれる。その日の気分にあわせて、癒されたい時は"ポチ"を、テンションを上げていきたい時は"タマ"の声で、それぞれ楽しむことができる。
2024年モデルは、風を向けたい方向に調節することができる「ここピタボタン」をリモコンに搭載している。調整幅は、正面から左右60度の範囲(合計120度)でおこなえるため、ピンポイントで風を送りたい時にとても便利な機能だ。もちろん、音声操作で設定することもできるので、手元にリモコンがない時でも重宝するはずだ。
さて、一通り製品の特徴をお伝えしたところで、次の章から、実際に使用した際の使い心地をお伝えしていきます。
使ってみる!
前置きが長くなってしまったが、実際のところ、使ってみてどうなのか?といったところをこれからお伝えしたいと思う。まずは、タワー型ファンの「大風量タワーファン ビューンタワー SF-T151」から。届いた製品を箱から出すと、全高が910mmと約1mちかくあるので、そこそこの大きさを感じる。しかし、タワー型なので、奥行きがない分、実際に設置してしまうと、あまり気にするほどのサイズではなかった。むしろ、高さがある分、送風口が広くなるので、送り出される風に期待が高まる。
電源を入れて、まずは風量の確認から行ってみる。風量は、7段階から設定が可能で、モードをセレクトせずに単に風を送りたい時は、任意で風量の設定をおこなうことができる。モード設定は、2つのモードから運転モードをセレクトすることが可能で、搭載するモードは、風の強弱をランダムに制御して、そよかぜのような自然い近い心地いい風を再現する"リズムモード"、設定した風量レベルで運転を開始させ、30分ごとに風量レベルを1段階ずつ下げ、最終的には風量レベルが1段階で運転する"おやすみモード"となっている。
まずはリズムモードから試してみる
リズムモードは、風量レベルが1~4段階までの風量をランダムに制御して風を送ってくれるモード。使用する風量レベルが1~4段階までというのがポイントで、最大でも風量レベルが4段階ということもあり、送られてくる風は、決して強い風ではない。そのため、カラダに直接当たっても、いかにも送風された風ではなく、自然の風のような印象を受けるので、心地よいといった表現がぴったり当てはまりそうだ。
このリズムモードを使用すれば、扇風機の風に当たりすぎてカラダがだるくなるといった現象もほとんどなく、使用後の不快な感じが残らないので、とてもオススメできるモードといえる。また、風量レベルが低いことと、搭載するモータがDCブラシレスモーターということもあり、非常に静かに風が送られてくるため、寝室で使用しても、音が気になって眠れないとか、風量が足りない、逆に強すぎるなどの不満も出ないほど、快適に使用することができた。おかげで、寝苦しさを感じやすいこの夏の時期でも、しっかりと睡眠をとることができた。
寝室で使用していることもあり、部屋の隅に置いて、スイング角度は75度にセットして使用した。ちなみに、スイング角度のセット方法は、とても簡単で、スイングボタンを押すと、液晶の表示部分に、75、120、330、とボタンを押すごとに切り替わるので、いずれかの角度にセットするだけでいい。
次に試してみたのは、"おやすみモード"だ。このモードは、設定した風量を30分ごとに1段階ずつ落としてくれるモードで、風量モードが一番弱い1になったら、その状態で運転をし続けてくれる。このモードは、寝室で使用するよいうより、リビングで主に使用してみた。理由は、エアコンとの併用によるところが大きい。今年は例年以上に気温が高い日が多く、外出先から自宅に戻ると、家の中はかなり蒸し暑さを感じる状態になっている。そこで、エアコンをすかさずつけるのだが、効率よく風を循環させたいので、エアコンの風をタワーファンに向けて設定し、タワーファンを利用して部屋中に冷たい風を送るようにしている。
タワー型ファンを自宅で試すまでは、サーキュレータにその役割を果たしてもらっていたのだが、小さなサーキュレーターでは、パワー不足で、うまいことエアコンで冷やされた空気が循環してくれなかった。しかし、このタワー型ファンは、風量をレベル7に設定すると、送り出されるその風の勢いが20m先まで届くとあって、瞬く間に風を拡散してくれる。本来であれば、風量レベルを7にしてサーキュレーターのように使用した方がよいのかもしれないが、私自身、かなりの面倒くさがり屋なので、風量レベルが自動的にダウンしてくれる"おやすみモード"が最適だと判断して使用している。この判断は、かなりの確率であてはまったようで、部屋が涼しくなりはじめるころから、段々と風量が弱まるのことから、とても便利に使えている。ちなみに、風量レベルを7にセットすると確かにパワフルな風は送られてくるのだが、部屋のサイズからしても風量レベルは、5程度で十分だった。
持ち運びも意外と楽ちん
寝室とリビングで使用しているので、そのつど持ち運んで使用しているのだが、高さが910mmもあるので、持ち運びがしずらいかと思いきや、持ち手部分がしっかりと設けられていることと、重さが、4.4㎏と比較的軽いので、それほど苦にはならないといった印象。タワー型なので、扇風機と違いあまり場所を撮らないというメリットがあることを考えると、複数台あってもいいようにも思うが、なかなかそういう訳にもいかないので、やむなく移動して使用している。
メンテナンス性は抜群にいい
この製品は、メンテナンス性がいいのが特徴一つということもあって、とにかくラクに行えるところがいい。背面のカバーを外すると、ファンが現れるが、このファンの取り外しがとても簡単行える。一般的なタワーファンは、この辺りが簡単に取り外せないものが存在するが、この製品においては拍子抜けするほど簡単に取り外すことができた。手順としては、背面のカバーを外し(手順①、②)、ファンを固定しているレバーを奥に押し込む(手順③)ことで、ファンを引き出す(手順④、⑤)ことができる。たったこれだけなのだ。
取り外したファンには、ホコリが付着しているので、水で洗い流すもよし、静電ブラシで掃除するもよし、ファンを取り外せることで、常に清潔な状態にしてい使用し続けることができるのはユーザーからするとうれしいポイントだ。ちなみに、ファンを取り外してファンの軸部分を見ると、ボールベアリングらしきものが設置されていた。ファンを効率よくスムースに回転させるように設置されたものと思われるが、しっかりしたベアリングが使用されていることを見ても、この製品がしっかりとした製品だということがうかがえた。ちなみに、背面カバーを外している状態では、電源が入らないようしているなど、安全面にもしっかりと配慮しているあたりも抜かりなしといった感じだった。
「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇」を試す
今度はもう一つの製品、「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇」の使用感についてお伝えしていこう。こちらの製品は、製品名にもある通り、音声で操作できる扇風機だ。スマートフォンやインターネットを介して音声操作するスマートスピーカーの類の製品とは違い、決まった言葉を話しかけることで操作できるように、デフォルトで対応する言葉が搭載されているというものだ。なので、スマートフォンとの接続もなければ、インターネット回線との接続も必要ないので、箱から出して電源を入れれば、すぐに音声での操作を楽しむことができてしまう。
羽根の枚数は5枚
羽根の枚数は一般的な扇風機と同じで5枚となっている。最近の扇風機は、多いモノだと7枚や8枚、9枚を使用する製品もあってなさまざまだ。羽根は、枚数が少ないと風が重くなりがちで、逆に羽根の枚数が多くなると優しい風を送りしてくれるという特徴がある。今回試す"ポチタマ扇"の羽根の枚数は5枚だから、比較的少ない部類に入るようだが、実際、8段階ある風量レベルの1~8段まで試してみると、風量1~4段までであれば、優しい風を感じられ、5段以上は、パワフルさを感じるレベルだった。ちなみに、7段、8段レベルは、机の上の資料が吹き飛ばされてしまう可能性があるほどパワフルな風だった。にもかかわらず、動作音は、不快に感じるほどの大きさではなかった。
リズムモードとお休みモードを使えば、より、そよ風のような風を感じられるはずだ。この2つのモードは、前述したタワー型ファンにも搭載している機能で、リズムモードは特に心地の良い風を送り出してくれる。深夜寝静まった際に使用する時も、このリズムモードと首振りモードをONにしておくと、心地よ過ぎて居眠りしてしまいそうなほど、優しい風を送り出してくれてた。
肝心の音声操作
"ポチタマ扇"のメインの機能と言えば、やはり音声操作に対応しているという点ということで、早速、試してみた。音声操作は、電源のオン/オフ、風量調整、左右の首振り操作のほか、リズムモードのオン/オフや、タイマー設定など21種類もの操作に対応している。音声に対応してくれるのは、18パターンの返事で答えてくれる従順な「ポチ」と20パターンの返事で対応してくれるちょっぴりやんちゃな「タマ」の2つの音声からセレクトすることができる。
まず初めに試してみたのは起動から。従順な「ポチ」の場合は、"ポチ、きいて"と扇風機に向かって話しかけると、"はい、なんですか?"と返答してくれる。一方やんちゃな「タマ」には、"タマ、おねがい"とちょっとこちらがへりくだって話しかけると、"どうしたの?"と返答してくれる。風量調整においては、風量レベルを上げたい時は"つよくして"と話しかけると、「ポチ」の場合は"はい"と答えてくれるのに対して、「タマ」の場合は"いいけど"とちょっとツンデレを感じさせる返答をしてくる。この指示するワードを覚えるまでは少々面倒だが、指示内容が書かれたがシール状のものが同梱されているので、本体に貼っておけば、指示する言葉がばわからなくなっても安心だ。音声のボリュームも調整できるから、夜遅くに使う場合でも、配慮しながら音声操作を楽しむことができるのもうれしい。
この音声操作は、リモコンが手元にない時に結構便利に使えるので、よく使う指示内容を自然と覚えてしまった。私の場合、夜遅くまで原稿作成を行うことが多いので、ちょっとした合間に話しかけたりして和んでいる。ちなみに、よく使うのは「タマ」の方で、このツンデレ具合がなんとも可愛らしく感じてしまう。ただ、本当に疲れている時は、「ポチ」の声を聴くと癒されるので、たまに「ポチ」の声で無駄に話しかけて風量調整をしている。
実はサーキュレーターとしても使える
「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇」は、製品名にもあるように、実はサーキュレーターとしても使用することができる。一般的な扇風機は、ヘッドの角度を3段階程度の角度で調節することはできるが、サーキュレーターのように、真上に向けることができない製品が多い。しかし、「ポチタマ扇」に至っては、ヘッドの角度を15度ずつ7段階(写真①~⑧)で角度を変えることが可能で、もちろん真上にも向けることもできてしまう。そのため、洗濯物の真下に置いけば、部屋干しの洗濯物も、効率よく乾かすことができるのだ。一台二役をこなせることを考えると、かなり便利に使えると感じた。
いずれのモデルもDCブラシレスモーターを採用している
「大風量タワーファン ビューンタワー SF-T151」、そして「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇」のいずれのモデルも、使用するモーターは、DCブラシレスモーターを使用しているので、とにかく静音性に優れているという印象を受ける。特に、風量レベルを低めに設定して使用していると、生活音にかき消されてしまい、ほとんど作動音がしないといった印象で、よっぽどパソコンのファンの回る音の方がうるさいくらいだった。深夜に使用するケースが多い私にとって、作動音が静かだということは、それだけでも価値ある製品だと思っているので、集中していろいろなことをやりたい時に、実に助かっている。そういう意味においても、両モデルともに優秀なモデルだと言えるだろう。
ちなみに、我が家には扇風機だけでも他に2台、サーキューレーターが3台あるので、今回の製品を併せると、扇風機とサーキュレーターで7台もあることになる。その中に置いて、ダントツで静かなので、毎日好んで使用している。
実際使って気になったこと
いずれのモデルも、1っか月ほど使ってみたが、気になる点はほとんどなかった。特に「大風量タワーファン ビューンタワー SF-T151」においては、不満点はほぼゼロと言ってもいい程見当たらなかった。一方「DC音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇」においては、気になったというほどのことではないのだが、リモコンの収納場所が本体台座の側面にあり、なぜここ?と思う場所だったのが気になったところ。できれば、本体モーターのカバー上に磁石でくっついてくれればと思ところではあった。リモコンはコンパクトでいいのだが、できれば、サッと取り出せて、サッと置ける(収納できる)場所に設定してもらえると、リモコンを紛失せずに済むので、今後改良されることに期待したい。
まとめ
今回、形状の異なる扇風機及びファンを同時に使用してみたが、いずれのモデルも、使い勝手がよく、メンテナンス性にも優れ、「ポチタマ扇」においては、音声操作にも対応するなど、遊び心満載のモデルだった。特に両モデルに搭載されるリズムモードや、ここピタ機能は、かなり便利に使えたし、DCブラシレスモーターの採用で、風量レベルを中程度までなら、とても静かに作動してくれるという点など、とても満足感が高い製品だった。
我が家にある、20年以上も前の扇風機もいまだ現役で稼働しているが、さすがに、20年もの歳月の経過は、扇風機といえでも、ここまで進化するものなのかと、改めて驚いている。扇風機の風に当たりすぎてカラダがだるくなるといったことは、もう過去の話なのかもしれない。
今年の夏は、例年以上に暑い日が多くなりそうなので、エアコンと扇風機を併用して、快適な毎日を送りたいものです。
●シロカ(公式サイト):https://www.siroca.co.jp/