【レビュー】自宅のテーブルで”いろり”⁉を囲んでみたら 会話が弾んでホッコリ、ご飯も進んでお腹いっぱい
今回レビューするのは、シロカから発売された「おうちいろり」という調理家電。昨年の12月に発売を開始し、本サイトでも情報として掲載。自宅のテーブルで"いろり"を囲む!?という内容に興味深々で、どうしても試してみたくなり、今回のレビューに至った。"いろり"といえば、昔ながらの家屋にあるイメージが強く、切って開けた床に灰を敷き詰めて、薪などを燈す場所という認識で、実際に見たのは、とある旅館に訪れた際に見た程度。冬になると、暖を取るために"いろり"の周りに人が集まり食事をするということで、現代において、そのような経験は特殊で、”いろり”で食事をする、なんていうことまずないと思われます。そこで、今回シロカの「おうちいろり」が登場するのだが、一体、その使い勝手はどうだったのか、使用感をお伝えできればと思います。それでは、最後までどうぞお付き合いください。
まずは、シロカについて
シロカは、2000年に創業した小型家電メーカーで、炊飯器、ホームベーカリー、トースター、電気圧力鍋などの調理家電から、クリーナーや扇風機、スポットクーラー、ヒーターなどの生活家電や季節家電を製造販売している企業だ。人感センサー付きのセラミックファンヒーターや扇風機、音声操作が可能な扇風機など、アイデア満載の製品は、ユーザー目線に立った製品が多く、ユーザーからの声を反映させた製品も多数存在する。
siroca(シロカ)公式サイト
今回試す「おうちいろり」
「おうちいろり」は、昨年の12月に発売されたばかりの新製品。昔ながらの「囲炉裏」をモチーフとした卓上調理家電で、炙り焼きから、炒め料理、煮込み料理まで楽しめる、熱密度の高いヒーターを搭載した製品。さまざまな料理を楽しむために、こだわったプレート各種がセットなっているから、この一台で、普段の食事はもちろんのこと、みんなで楽しむ料理まで幅広く使える。
セットされるプレート
本体にセットされるプレートは、すき焼きやパエリアなどに対応する深皿、焼き肉や餅など焼き物をする際に適した焼き網、そしてたこ焼きやベビーカステラなどを作ることができるボールプレートとなっている。土鍋が付属するモデルも用意されており、土鍋及び蒸し皿、そして土鍋検知アタッチメントが追加でセットとなる。ちなみに、セットされる土鍋は、伊賀焼の窯元でもある長谷園のもの。
それぞれのプレートは使い勝手にもこだわっており、焼き網においては、食材が網に焦げ付かないように、ステンレスを使用しており、網状に組まれた線に、直径1.6mmの極太のモノを使用することで対策をしている。また、深皿においては、蓄熱性の高い厚手のプレートを使用しており、4.5cmの深さを設けることでさまざまな料理に対応する。ボールプレートにおいても、深皿同様厚手のプレートを使用。厚手のプレートを使用することで均一に熱が伝わるため外はカリッと中はフワっとした仕上がりを可能にしている。また、穴の淵を5mmほど真っ直ぐ立ち上げることで、キレイな丸型に成型しやすくなっている。
実際に使用してみる
さて、一通り製品の概要をお伝えしたところで、ここからは実際に使用してみた感想をお伝えしていきたいと思う。今回使用したモデルは、土鍋付きモデルの「SQ-D151D」。実際に送られてきた箱の大きさに驚いたものの、箱を開封してみると納得。土鍋の箱が厳重に保護されており、確かに陶器であることを考えると、この大きさになるのもうなずけた。
まず一通り説明書に目を通し、箱の中身を取り出して全てのパーツが揃っていることを確認したら、気になっていた焼き網を使った料理に着手することにした。
どうでもいい話
実はわたくし、とても料理が苦手で、その理由の一つが、スーパーへの買い物があるからだ。ご存じの通り、スーパーには、さまざまな食材が取り揃えられており、食べたい食事に合わせて食材を購入すればいいだけのはずが、私にとっては、とてもハードルが高い場所なのだ。食材がこれだけ揃っていると、目的の食材を手にするまでにかなりの時間を要する。そのため、事前に購入すべき食材は紙に記すか、スマホにメモってから向かうようにしている。ちなみに、レトルト食品やインスタント食品のように商品名が決まっているモノであれば、ササっと購入することはできるのだが…。
どうでもいい話が長くなってしまったが、焼き網で試す食材が揃ったところで、早速焼き網を使ってみることにした。試してみたのは、焼き網を使用するといえば焼肉でしょう、ということで準備を進める。
ベース部分のセット
まずは、ベースとなる台に水受け皿をセットし、ヒータの台座としてさらに五徳をセットする。五徳をセットしたら、水受け皿に、既定のラインまで水を注ぎ入れ、ヒーターと台をドッキング。さらに遮熱版をセットすれば、ベース部分のセットが完了する。最後に焼き網をセットすれば、すべての準備が整う。
焼き網をセットする際には少々注意が必要で、必ずアタッチメントをセットする必要があるということ。このアタッチメントは、熱センサーとなる感熱棒を検知させるもので、これがないと安全装置が作動してしまいスイッチが入らない仕組みになっている。
ようやく焼き網をセットできたので、いよいよ実際に肉を焼いてみることに!
焼き網を使って餅や肉を焼いてみる!
さて、スーパーで購入してきた食材を焼き始めようと思ったのだが、餅を食べたいという妻のリクエストに応えるため、まずは餅からスタート。毎年我が家では、年始の時だけ食べる紅白の丸餅を用意しており、その餅を「おうちいろり」の焼き網に4つほど並べてみた。ヒータの設定レベルを4にセットしたら、しばらく(3~4分程度)したらひっくり返す。この工程を何回か繰りかえし行い、出来上がりました。まずは、お餅からいただきます。
レンジでチンすれば簡単にできるものを、あえて「おうちいろり」で焼く。すると焼き上がるまでの工程で餅がプクーっと膨らむ瞬間を見ることができる。焦げも好みで付けてみたりと、日常ではなかなかやらない方法で焼き上げるのがとても楽しく、気が付くとどんどん焼いてしまっていた。
次に焼いたのは、メインの肉。早速焼き始めてみると、まるで焼肉屋で焼いているかのように、ジュウジュウと焼ける音が食欲をそそる。油がヒーターに垂れると煙が少したち上がるものの、水受け皿に水を張っているので、だいぶ抑えられている感じではある。先ほどの餅とは違い、焼けた肉を次から次へと口に放り込んでいくため、せわしない感じではあるが、家に居ながら、焼肉屋に行った感じで食べられるのがとてもよかった。というか、おいしく焼けて大満足!
緊急事態発生!
とここで、楽しく食事を進めていたはずなのだが、妙に煙の量が気になり始めたもののやり過ごしていたら、あれ?大丈夫?と思うほどの量になってしまっていた。ここでやっと気が付いたのだが、受け皿の水が蒸発してしまっており、水がない状態のまま肉を焼いていたのだ。その結果、減煙効果が得られなくなり煙が部屋に充満してしまっていたということに。そしてあろうことか火災報知器が鳴り響く事態にまで発展してしまい、食事どころではなくなってしまった。
すぐに火災報知機を止め、窓を全開にし、換気扇を回し、なんとか煙を外に送り出すことができたのだが、窓を全開にしたせいで部屋の中は極寒状態になってしまった。妻の冷ややかな目は、私に向けられ、部屋が寒くなってしまったこともあり団らんの場が一瞬で凍り付いてしまった。原因を探ると、私が夢中になって肉を焼いていたせいで、水受皿には水が一滴もなく、完全に蒸発していたことに全く気が付いていなかったのだ。
気を取り直して、もう一度焼き始めるも、一旦凍り付いた食卓は、そう簡単には暖まらないものの、ひたすら献身的に焼き続けることでなんとか鎮静化することができた。それでも、いいことが一つだけあり、火災警報器がちゃんと作動することがわかったこと。今の自宅に住み始めて13年、初めて聞いた警報装置は、「ピー・ピー・火事です・火事です」と繰り返し鳴り響く。少し恐怖を覚えながらも、この警報内容と音をしっかりと記憶に焼き付けることができた。気を取り直して、次はボールプレートを使ってみることに。
ボールプレートでベビーカステラを作ってみる
次に試してみたのは、ボールプレートだ。ボールプレートはたこ焼きやベビーカステラ、ライスボールやアヒージョなどが楽しめるらしい。たこ焼きをやってみたいと思っていたのだが、自宅にあったのがホットケーキミックスだったので、ベビーカステラを作ってみることにした。
セットはいたって簡単で、ボールプレートを遮熱版の上に載せるだけでセットが完了する。注意するのはボールプレートの裏面にコントロール側の感熱棒が収まるくぼみが用意されているため、そこに合わせることが必要とされる。とはいっても、上面には矢印もあるから、迷うことなく簡単に設置できた。
設置が完了したら、あとは火力レバーを「3」に合わせればOKだ。ボールプレートは、素材が鋳物でできており、かなりドッシリとした印象。早速ボールプレートに、用意したホットケーキミックスを流し込んでみる。
最初はどれくらいの量を流しこめばいいのかがわからず、多めにいれてしまい、うまく作ることができなかったが、次第に慣れてくると、面白いようにクルッ、クルッっとひっくり返すことができるようになる。たこ焼き職人が、クルクルとたこ焼きをひっくり返して丸くしていく映像を思い浮かべながらベビーカステラを作ってみるが、簡単ではないもののそれなりに形になり始めると、必要以上にクルクルとひっくり返したくなる、これは楽しい。
ちなみに、ボールプレートの表面にはセラミック塗装が施されているため、とても滑りがよく焦げ付きにくくなっており、慣れない人が使っても、食材を焦がしてしまう心配は少ないかもしれない。一つ言えるのは、火力レバーを3以上にすると、少し焦げてしまう可能性が出てくるので、できる限り火力を3以下に設定することをオススメする。
深皿と土鍋で鍋料理を食す
次に使ってみたのは深皿と土鍋。それぞれの特徴に合わせた料理で試してみたかったのだが、急遽どちらが手軽に鍋料理を作れるかということをやってみることにした。鍋料理なので、具材を投入して待っていればいいだけだから、手間という手間はかからないはず。なので、試してみたのは、鍋料理の食べ頃になるまでに要する時間はどのくらいなのか、ということ。
結論から申し上げると、鉄鍋の方が短時間で出来上がる。というか、熱伝導率が高い鉄なべに軍配が上がるのは目に見えていたことなのだが、別の視点で見てみると、土鍋を使う理由はほかにあることに気が付かされた。
土鍋で鍋料理
鉄鍋と土鍋でどちらが早く鍋料理が食べ頃になるかという、あまり意味のない比較をやってみたのだが、鉄鍋に比べて土鍋は、それ自体が暖まるまでに時間がかかるため、早く食事をしたいという人向けではないように感じた。一度熱が入ってしまえば、コトコトとじっくり温めてくれるから、時間をかけてのんびり食事を楽しみたい人に向いているように思われる。一方鉄鍋は、前述したように熱伝導率が高いため、準備をして熱を加え始めると温まるまでの時間が短く、早く空腹感を満たしたい人に向いているようだ。ただ、すぐに空腹感を満たすことはできるが、その分少々せわしなさがあるように感じた。
食事のスタイル、あるいは食事の内容によってそのスピードは異なると思うが、ゆっくりお酒を飲みながら、そして話を楽しみにながら食事をしたい場合は、やはり土鍋の方が、適しているように思える。
ちなみに、土鍋に付属する蒸し皿をセットすれば、季節野菜のバーニャカウダなども楽しめたりするので、土鍋セットがあると、幅広く使える印象だ。
使用する人に優しい工夫が随所にみられる
ここまで焼き網を使用して肉や餅を焼いてみたり、ボールプレートではベビーカステラを、鉄鍋や土鍋では鍋料理を実際に作ってみたが、使用する中で、ふと気が付くユーザーに優しい工夫の数々を紹介。
一つ目は、鉄鍋を使う際に利用する蓋だ。これは、なるほどと感心させられたのだが、蓋のツマミが斜めになっているという点。料理の際に使用する鍋蓋は、熱を逃がさないために使用するモノ。つまり料理中に使っているので、とても熱くなっている。出来上がった料理を皿によそう際、蓋を取って、一旦別の場所に置くことになる。実際のところ蓋のツマミはいろいろな形状のモノがあり、取った蓋を置く際にどうにも安定しないケースが間々ある。そんな時に便利に使えるのが、「おうちいろり」に付属する蓋だ。ツマミの形状が斜めになっているおかげで、蓋をひっくり返して置く際に安定した状態で置くことができるのだ。また指をひっかけやすくもなっているので、持ち上げる際などラクに行うことができる。これが一つ目。
二つ目は、フック付きの取っ手がちゃんと用意されている点。これは、焼き網や鉄鍋、ボールプレートの使えるモノなのだが、シリコン製で作られた取っては、プレートが熱い状態でも、熱が伝わらないためセットすればすぐに持ち上げることができる。例えば、焼き網を使用してい、肉を焼いた後に別の食材を焼く際、ちょっと網を洗いたい時など、とても便利に使えるのだ。焼き網が冷めてから取り除くという方法もアリだと思うが、せっかちな私は、さっさと網を取って洗い、また使いたいと思ってしまう。ちなみにこのシリコンフック、シリコン製だからなのか、手触りいいのもお気に入りだ。
と、使う人に優しい工夫箇所を二つ挙げてみたが、とにかくよく観察しているとユーザー目線で製品作りがされていることに気が付かされる。この辺りは、シロカの”やさしい家電”に通ずるものがあるのかもしれない。
気になったところ
何週に渡って使用してみたが、とにかく使いやすくて、楽しめる、そんな製品になっており、気になる点はほぼないのだが、それでも一つだけ挙げるとしたら、水受け皿の水が使用中に蒸発してしまったら、センサーで検知するなどしてお知らせしてくれる機能があったらということ。今回、私の不注意で水受け皿の水が蒸発してしまい、火災警報器がなってしまう事態にまで発展してしまった。幸いにも、すぐに警報器を止めて、たいしたことにはならなかったが、焼き網で食材を焼いていると、夢中になりすぎて、煙に全く気が付かなかった。完全に人的ミスではあったのは承知の上で、もし水受け皿にセンサーが付いていて、水受け皿の水が一定水量を下回ったときには、お知らせしてくれるという機能がついていたら、と思った次第。
結果
焼き網、ボールプレート、鉄鍋、土鍋とほぼ付属するアイテムを使っていろいろな食材を試してみたが、どれもおいしく食べることができた。一つの緊急事態を除いては。とはいえ、火災警報器の動作確認もできたわけで、ポジティブにとらえたいと思うところ。今後、水受け皿にセンサーが搭載されることを願って、10点満点中9点。納得の一台でした!
まとめ
今回使ってみた「おうちいろり」は、当初「いろり」という名称が製品名に入っていたので、どこが"いろり"なの?と思っていたところは正直ありました。しかし、使用していてわかったことは、一人で楽しむというよりは、複数人数で楽しめるモノ、囲んで楽しめる、おいしいものを食べると自然と会話が進む、などなど、いわゆる"いろり"の要素が含まていることに気が付かされました。もちろん、ホットプレートでも同じことが言えそうですが、「おうちいろり」の形状が丸形形状であることもあり、使っていてなんだかホッコリした気分で過ごすことができます。日頃せわしなくしているせいか、食事の時ぐらいのんびりしたいと思いながらも、なかなか時間をかけることができていませんでした。そんな折にこの「おうちいろり」を試すことができて、改めて食事の時間は家庭の平和につながっているのだと実感したところで、今回のレビュー(使ってみた)記事は終わりにしたいと思います。
なお、今回試した「おうちいろり」については、新製品の情報としても掲載しているので、気になった方は、こちらをクリックしてみてください。